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駆け出し能楽師の奮闘記
敷居が高いと思われがちな能楽の世界を、能とは関係のない家から飛び込んだ私・中村昌弘の奮闘を通じて少しでも身近に感じていただけたらと思います。

いんまいあーむすとぅないと

今日は一日おやすみ。
買い物に行ったり、自分の稽古したりでした。

テレビつけると、ここ数日は前農相自殺に次いでZARDのことが多く流れています。
ふと、昔録りだめておいたMDをみると、一枚「ZARD BLEND」がありました。
確か最初のベストアルバム…と、思いきや実はセレクションアルバムだったそうです。

最初にZARDというのを認知したのは「IN MY ARMS TONIGHT」のとき。
TBSで「学校があぶない」というドラマをやっていて、その主題歌がこの曲でした。
ドラマはあんまりヒットしたわけじゃなかったと思いますが、学園モノとしてはちょっと異例の構成で、小学生だった僕は恐いもの見たさ的に見ていた記憶があります。
先生の指導能力不足が原因で学級崩壊していくストーリーって、考えてみればずいぶん時代先取りですよねぇ。

その当時「ZERO」ってグループもいて(確かZEROっていうチョコレートのCMソングを歌っていたような)、エンディングのクレジットを見ていて字的に紛らわしいなと思ったのが最初でした。
ZEROのほうはその後あっという間に消えてしまいましたな。。。

懐かしくなってMD聴いてみましたが、あぁ90年代だなぁって思っちゃいますねやっぱり。
ちなみにこのアルバム、「負けないで」は入ってないんですね、なぜか…。

ちょっと前に午前中のドラマ再放送枠で「理想の結婚」をやってましたが、この主題歌が「君に逢いたくなったら…」。
ちなみに主演は常盤貴子と竹之内豊。
常盤貴子はまさに全盛期で、こりゃ確かに売れるわなってくらいかわいかったです。



能とは全然関係ないですな。。。

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  1. 2007/05/30(水) 23:59:44|
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シニア講座

6時半起床。
今日は三鷹市でご年配の方を対象とした能楽講座でした。
が、朝が早くて寝ぼけていたのか、髭そるの忘れたまま出てしまい、コンビニで剃刀買って現地で剃るという失態を仕出かしてしまいました。。。

気を取り直して講座へ。
今回は先輩と2人で、僕は補助。
最初僕が「高砂」を舞って、しばらく先輩が諸々の解説。
中程で面と長絹だけ羽織って先輩が「羽衣キリを舞って僕が地謡を勤めました。
あとは「羽衣」のシテの出のところの掛け合いをやったり、囃子と謡いの兼ね合いということでアシライをしたり。

最後に皆さんと一緒に「高砂」の待謡を謡いました。
皆さんの様子を拝見していると、全く詞章を見ずに謡える方がちらほら。
やはりこの世代の方は結婚式には「高砂」という習慣が残ってらしたんですかね?
普通、こういうのをやると詞章にかぶりつきになってしまうものなのですが、これはちょっとびっくりでした。


それから国立へ。
「楊貴妃」を謡わせていただきました。
しっかり謡い込んでいったつもりでしたが、実際にアシラっていただくと全然稽古が足らないことを思い知らされます。
なんかこうシットリした感じにならずベタベタした感じになってしまいます。

謡曲の平ノリというものは基本が七五調になっていて、これを上の句下の句と分けて考えることができます。
上の句はタップリと、下の句はハコんでいくと流れができるのですが、今回は上の句の粘りが足らなかったのが原因だったのでしょうか。
う~む…。

この点以外にもどうも声が高くなりすぎちゃったり、課題はたくさん。
まー、本三番目物ですからねー。
そう簡単には謡わせてくれません。
今度この曲を師匠が地頭されるのでよーく聴いてみようと思います。



  1. 2007/05/29(火) 23:49:28|
  2. 稽古|
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そして大宮へ

後ろ髪を引かれる思いで大宮へ。
時間がおしていたので新幹線とも思ったのですが、6000円近くかかるそうでさすがに在来線で行くことにしました。
その代わり乗り換え駅はすべてダッシュで移動でしたが…。

今日はよいお天気。
雨の心配は全くすることなく外でできました。

始まる前、面会が。
「山崎中学校の○○さんです」
と言われ数秒???となりましたが、あ、そういえば。
行ってみるとあたり。
中学の同級生で同じ剣道部でしたが3年生に上がるとき何も言わずに引っ越しちゃった子。
8年くらい前にちょっとだけ会ったことがあって、そのときに一度見に来たいと言っていたのでした。
久しぶりに見る彼女はベージュの和服を身にまとって美しく見えました。

正直に言いますとその瞬間、頭のなかちょっとライフカード状態に。
だって綺麗なお嬢さんが急に差し入れ持って来てくれちゃったら、ええ?とそりゃーいろいろ頭をよぎっちゃうというものですよ。
どーすんの、どーすんのオレ!?とメロディーが流れかかったと思ったら、
「去年結婚したの」
だって。
妄想、5秒で終了。。。


気を取り直して舞台です。
昨日と同じく、まずは素謡「翁」
同じ曲とは言ってもシテ、地頭によって作法が少し変わったりするので毎回確認をとります。
礼の仕方とか扇を置き方とか細かいことなのですが、こういうのがバラけるとシマリませんから。

舞台を掃き清め、続いて「松風」
やっぱりいい曲です。
始まったときにはまだ明るかったのですが、ちょうど汐酌車を引くあたりでは桶に月が映るような暗さになっていました。

今回謡いながら改めて思いましたが、ツレの村雨というのは非常に大事な役。
謡が多いので大役であることは間違いないですが、演劇上も大事な役割を担っています。
行平の幻を見る姉、それをある部分心ならずも止めようとしながら姉の強い想いに引っ張られるように自らも松に行平の姿を見ます。
このあたりの感じが、もう…たまんないわけで…。

しかし野外は思わぬところで大変。
クドキになって松風村雨が行平のことを語りだした途端、風がサーッと吹いて葉っぱやら実やら虫やらが一気に降りかかってきました。
虫は僕の左の耳から首筋を這い回りたいだけ這い回ってくれましたがじっと我慢する以外ありません。
〝能は拷問芸能〟とはよく言ったものです。。。



と、これで終わるかと思いきや今日はまだ終わりません。
0時過ぎ、家でくつろいでいると、ドアの外から不自然な咳払いが。
2次会を終えたさっきの先輩たち。
お酒やつまみをどっさり、更にこの時間だってのに牛丼まで買ってきてくれました。
まー、それを喜んで平らげちゃう僕も僕ですが。

2次会どうでしたか?と聞くと、
「みんな左手の薬指にリングしてんだもん」
「ああいうときくらい外して夢を与えろよなー」
女性の皆さん、そういうことなんだそうです。

結局2時半まで宴会。
さすがに疲れたけど楽しかったから、よし!



  1. 2007/05/27(日) 22:07:40|
  2. 舞台|
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結婚式とこーきくん

朝、大宮とは反対方向の新横浜へ。
結婚式でした。

大学生のとき塾講師のバイトをしていたのですが、新郎はそのときの先輩。
今でも親しくしている先輩が、5歳、4歳、3歳、2歳上にそれぞれいて今日は3つ上の方。
最高学府を院まで出てる秀才なのですが、昔麻雀やっていてオープンリーチに振り込んだという不思議な一面も持っています。。。

ちなみにこの先輩方の中で今回が結婚第一号でした。
他の先輩たちもカッコイイんですが(一人はメタボだけど…)なぜか結婚には至らないようです。

式はレストランウエディング形式。
とーてもおいしい料理でお酒と合いそうなのですが、舞台があるため泣く泣くソフトドリンクを飲んでいました…。

新郎の先輩は最初緊張でカチコチでしたが、徐々にいつもの(先輩にこんなこと言うのも失礼ですが)愛らしい笑顔が出るようになってきました。
奥様のほうは数年前一度一緒に能を見に来て下さったのですが、そのときのこともしっかり覚えていて丁寧にご挨拶いただきました。
こういう対応ひとつで出来た奥様だなぁという感じを受けます。

僕のついたテーブルは他の先輩方と新郎の弟さん。
実は彼も同じ教室でバイトをしていて僕の数少ない後輩。
僕が卒業するときお手製教材シリーズを託したのですが、そういやどうしたのかな?
聞くの忘れちゃった。

披露宴が始まってしばらくすると飽きちゃったのか子供がテーブルを走り回っていて、後輩のところに来ました。
甥御さんだそうで。
ちょっと遊んでいるうちにすっかり仲良くなっちゃいました。
20070528215232.jpg

5歳のこーきくんです。
もーかわいいったらありゃしない!
猫ひろしが好きなのかずーっと「ニャー!」って言ってたので、ビルから見えたヒマそうな交通整理のおじさんに2人で「ニャー!」ってイタズラしちゃいました(おじさんごめんね、気がつかなかったとは思うけど)。

途中で失礼したのですが、帰るときにっこり笑って「ありがとー!」って言ってくれました。
嫁さんはまだいいけど、子供はすぐにでもほしいなぁ~~~。



  1. 2007/05/26(土) 22:06:42|
  2. 日常|
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どうどうたらり…

朝っぱらから鼻血、昼飯の最中も鼻血。
そんななか今日は大宮薪能初日。
生憎の雨で室内での公演でした。

僕の出番は素謡「翁」の地謡。
この場合謡う前と終えたあとに礼をします。
決してお客さまにしているわけでなく、神様に捧げるという意味でします。
(ときどき拍手をいただくことがありますが、はじめまーす!という意味じゃないんです)

舞台に入るとライトが照らされて舞台袖よりも数度上がっているような。
この状態で下向いたりすると…、
 ちりやたらりたらりら~
で済めばいいけど
 どうどうたらりたらりら~
なんて血の池地獄になっちゃったら大変です。

結局無事でしたけど。
最初と最後だけ妙に緊張しました。。。


明日は晴れそう。
この時期の野外は気持ちいいです。
楽しみ♪



  1. 2007/05/25(金) 23:26:44|
  2. 舞台|
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大逆転!

FC東京奇跡の大逆転で決勝トーナメント進出決定!!
真面目に稽古頑張った甲斐がありました~…って関係ないか。

久しぶりに家酒しちゃおうかな~♪



  1. 2007/05/23(水) 21:04:50|
  2. 日常|
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週末から今日まで

しばらく更新が滞っておりました。


土曜日は女性の先生がお稽古されている皆さんの発表会。
能楽堂でやるわけではなくちいさなもの。
先生は別の舞台が入っていたため普段補助を勤める僕が責任者というかたちでした。

基本的に皆さんで進めて、僕は仕舞「野宮」の地謡。
一番だけとはいいつつも、ひとり地謡、かつ玄人は僕だけということでちょっと緊張しました。

そのあとワークショップということで「猩々」の一部を謡って舞うというのをいらっしゃた皆様に実際にやっていただきました。
去年は仕舞どころを1時間足らずで上げるという超無謀な企画だったので、今回はワタリ拍子の部分からの抜粋。
「猩々」は謡に即した型が多いので意味を説明しつつ進めました。

お弟子さん方からはわりと好評だったようですが、自分としては流れがイマイチだったような…。
子供相手だったり、初めからワークショップがメインになっているものだとやりやすいのですが、ふらっと見にきたらアレアレこんな展開になっちゃったという雰囲気が感じられて(ワークショップが始まった途端に帰られた方もいたし…)、どうもそのあたりうまく引っ張りきれなかったかな、と。
基本的にミニ発表会のおまけ的な存在なのですが、どうにも流れのなかでしっくりきていないような気がして、う~んどんなもんなんだろうと。
難しいものです。


その後一度家に寄り、荷物を積み替え一路奈良へ。
日曜日に師匠とお父様のご社中の発表会があり、朝10時からということで前日入り。
今回京都から奈良へJRを使ってみたのですが、鈍行しかなくて68分掛かりました。。。
近鉄使うより数十円安かったですが。

その晩遅かった割に翌朝5時半に目が覚め、ゆっくり風呂に浸かりながら一通りさらっておきました。
9時前に能楽堂に着き、夕方まで能1番、囃子5番、仕舞6番の地謡を勤めました。
玄人になった当初は番数が多いときは本当にたいへんでしたが、最近はだいぶ記憶のストックも増えちょっとは戦力になれてきたかなぁなんて感じはしてます。
でも装束付けなどの楽屋仕事はまだまだ全然。
今回は時間的にわりとゆったりしていましたが、てんやわんやの楽屋ではこれじゃ足手まといです。。。

能楽師は謡って舞えて、その上楽屋仕事ができて一人前。
そう考えると今の僕は半人前弱ってところでしょうか。
先は長い…。


終わってその日に帰り、翌日は研究会、今日は稽古会という日程でした。



  1. 2007/05/22(火) 21:42:32|
  2. 舞台|
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稽古をつけるほうも…

今日も今日とて国立へ。
2科目、「富士山」「野宮」
覚えるのはもちろん大変だけど、お稽古してくださる先生方はもっと大変そう。

すみません。
有り難うございます。



  1. 2007/05/17(木) 20:45:38|
  2. 稽古|
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「蝉丸」始めました

本番は11月ですが、昨日から「蝉丸」の稽古が始まりました。
シテは師匠、僕がツレ。
僕ももちろんですが師匠が相当気合入ってます。
だって昨日進んだのは謡だけわずか2ページ、なんてくらいですもん。

謡ってみるとわかりますが、今の僕にはものすごーく難しいです。
そりゃ節どおり謡うのはなんてことありません。
でもそれだけじゃこの曲は面白くもなんともないわけで。
謡い込んで謡い込んでいって、自分のなかでいろいろ組み立てていかないと到底太刀打ちできません。

昨日の「松風」もそうでしたが、この曲も本当にいい曲。
でもやはりストーリーは劇的とは言いがたく、動きも少なく非常に地味~な部類。
それでもホントしんみりくるんです。

曲名にもなっている蝉丸というのが僕が勤めるツレ。
ツレと言っても非常に謡が多くて大役です。
この人、盲目だからというだけで父である帝から疎まれ山に捨てられてしまいます。
こんなん現代だったら大社会問題ですが、当時としては充分考えられることだったのでしょう。

この蝉丸は非常に心の澄んだ人。
山に連れ添ってきた臣下は蝉丸の不運と帝の非情を嘆きますが、「目が見えないのは前世の因果のせい。それをこの世で清算すべく父君は私をこのようにされたのだから、これ以上ない愛情ではないか」とかえって臣下を慰める言葉を掛けます。
しかしその臣下たちがやがて去っていってしまうと、こらえきれず残された琵琶を抱えて泣き伏してしまいます。

…話はまだ展開していくわけですが、このあたりを謡っているだけでもう泣きそうになってしまいます。
ですがこれを舞台でやるとなると、自分が悲しい気持ちになるかどうかはどーでもよくて(むしろ悲しくなっちゃいけないのかも)、ご覧なる方が悲しい場面に見えるかが重要なわけです。
あんまりやる側が悲劇悲劇していても押し付けがましいだけで、いかに感情移入しやすいよう持って行くかがカギ。
こういえば簡単そうですが、これがまぁ…。

とにもかくにもまずは技術的にしっかり固めて、自信をもって謡えるようにならないと悲しいもなにもありません。


これから稽古を重ねるにつれて、精神的に相当キツくなることが予想されますが、これをちゃんと超えたら何かが見える気がします。
その景色を見るためにこれから半年戦いますっ!



  1. 2007/05/16(水) 23:09:46|
  2. 稽古|
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涙の松風

昨日23時過ぎに帰宅して、今日は5時起き。
朝から研究会でしたが、まだ暗誦が不十分だったためこんな事態に。
昨夜も粘ったのですが、1時過ぎる頃にはもう完全にまぶたが落ちてしまいました。

電車の中でもこっくりこっくりしながらご宗家宅へ。
「羽衣」「鵜飼」「松風」の地謡です。
前2つはともかく「松風」が大変。
能の地謡を謡ったのは師匠が舞われたとき以来5年ぶり。
やっぱり拍子当たりも位も難しいです…。

一言で言えば松風・村雨という姉妹がただひたすらに在原行平を恋焦がれるという内容ですが、謡ってみると本当~にいい曲!
その5年前の謡ったときは地謡座に居ながら涙をこらえるのに必死でした(全く褒められることじゃないけど…)。

いずれ絶対挑戦してみたい曲ではありますが、こんなふうに気が昂ぶっちゃうようではよい舞台は勤められないでしょうね~。
稽古して稽古して嫌になるくらい稽古してもう空っぽになっちゃうくらいの状態で舞台に臨まないとダメかもしれません。

ちなみに本番は来週の大宮薪能です。
楽しみ♪


その後国立へ。
今回でめでたく笛は修了!
まぁ綺麗な音が出るかどうかは全く別ですが。。。



  1. 2007/05/14(月) 23:28:52|
  2. 稽古|
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地頭初体験

今日はご宗家社中の発表会。
能が三番出るなど大きな会です。

朝10時開演ですが、国立は9時にならないと開きません。
準備が大変なのでもうちょっと早くしてくれると助かるのですが…。
開門15分前に着いて待っていたら、プレッシャーが利いたのかさすがに定時より早く開けてくれましたけど。

楽屋に入ると息つくヒマはありません。
来月能を舞う僕が稽古している子が仕舞を舞うので、舞台で最終チェック。
出入りから一通りやりましたが、お…、ちょいと大丈夫か…?という感じ。。。
でも楽屋の準備もあるのでもうとにかく本番上手くいくことを願うほかありません。

装束の準備やらであっという間に時間が過ぎ早10時。
最初の仕舞は2人出て最初の子は小学校低学年の女の子。
なかなか上手です。
で、次が彼だったわけですが、
お…、おお!
よく出来てる!!
さすが子方5番経験しただけあるっ。
稽古は充分やってきたのですが、能と仕舞だとちょっと変わる部分があったり、仕舞の作法はほぼ出たトコ勝負になっていたので心配だったのですが、立派な出来栄えでした。
お見事!

それから仕舞2番謡って、今度は舞囃子。
「絃上」、地頭です。
稽古会等ではありますが、こうした会では初めて。
ご宗家の特別のご配慮によりこのような機会をいただきました。
師匠からも「こういう場ではとにかく正確に謡うのが第一」と言われていましたので、それを心がけて謡いました。

とりあえず無難に終えることはできました。
でも…、
後で録音を聞いてみると、間違ってはいないというだけ。
いろいろ課題が見つかりましたが、最も大きいのは声の質。
以前から声の細さは気にしていましたが、なんというのか横幅はあるけど縦の幅がないというか。
声量は自分ではよくわからないのですが、ないほうではないらしい。
問題は深さ。
なんだか薄っぺらくて、これだと地謡を統率するという感じではないです。

普段地謡につくときはほとんど前列に座っています。
地頭の意図するところを酌んで声を合わせることを第一に考えて謡っていますが、今までどうも上っ面だけを合わせていたのではないかと。
前列で謡っていると後列からの声に包まれて自分に力がなくてもちゃんと声が出ているように錯覚してしまいがちなのです。
今後もう少し自分自身主張を持って地謡に臨んでみようと思います。

そんなこんな、反省点は多かったわけですが、でも地頭って楽しい!
それにあのポジションがいい。
包まれていて将棋の王になったみたいです♪

その後「草紙洗小町」の地謡。
さんざん訳のわからない曲と言ってきましたが、実際見てみると割と面白いかも。
小町と紀貫之が歌会で同席してるとか設定はハチャメチャですが、展開がドラマチックだし、大勢舞台に出てきて華やかだし。
考えてみればしっかり辻褄の合ったストーリーなんて、能の世界ではかえって珍しいくらいですもんね。

それからしばらくは非番。
といえどものんびりできるわけではなく、終わった装束を片付けたり、出演される方の着物を着付けたり、結構忙しないものです。

そして最後「石橋古式の地謡です。
「石橋」は半能といって後半部分を上演する形式が多いのですが、今回は完全バージョン。
前場は滅多に謡うことがない上、ややこしい構造になっているのでしっかり謡い込んできました。
シテを勤められた方は喜寿ということでしたが、実に朗々とした謡。
技術云々ではなくこういった謡は年齢を重ねないと出せない味だなぁと思いながら聴かせていただきました。

圧巻だったのは後場の子獅子。
抜群のキレがあって本当に見事でした。
昨年直面(能面を掛けないこと)で舞ってらしたときもすごいなと思いましたが、今回面を掛けても全く問題なし。
実は申し合わせを拝見していたとき、ありゃ、こんなもんだったかな?と思っていたのですが本番ははるかによくなっていました。
正直、現時点で僕が舞ってみて勝てるかどうかわからないというくらい。
おまけに僕よりだいぶ若いんですよねー。
玄人としてやってる以上、やりたいからやります!とはいかず、お許しが出ない限りできない曲ですが、僕もいずれはやる曲。
そのときは稽古つけてもらおうかなぁ。



  1. 2007/05/13(日) 23:52:07|
  2. 舞台|
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歌謡学会

午前中宅稽古をしたあと、清泉女子大へ。
以前にも書いた歌謡学会の当日です。

控え室は会場である講堂入ってすぐ横のお部屋。
2時間前ほどに伺ったのですが、なぜか代わる代わる謎の外人やおばちゃんがこの部屋に入ってきてお茶やコーヒーを飲みに来ます。
なんだか不思議(笑)

さていよいよ出番が近づいてきまして、舞台袖へ。
学会とあって先に詞章の細かな解説が入ります。
こういうのってすごいプレッシャーなんですよねぇ。
きっちり稽古してきたものの、急に頭真っ白という現象はいかんともしがたいわけで。

かなーり緊張しましたが、なんとか済みました。
でもやはりこういう特殊な環境というのは難しいもので、今日はちょうど正先にあたるところになにやら金具がありました。
こういうでちょっと意識がそがれると思わぬミスにに繋がってしまいかねません。
ちょっと危険を感じましたが、なんとかお客さまにはわからない程度に抑えられたか…とは思います。

終わってから遅いお昼というか早い夕飯のお弁当をいただきました。
ここが今日最大のハプニングといったところでしょうか(笑)
詳しくは某グループの方のブログをご覧下さい。

その後懇親会にも参加させていただきました。
最近は初対面の方でも割と大丈夫!だと思っていたのですが、学者さん方というのは勝手が違って緊張しました。
一言ご挨拶を、ということだったのですが、ちと不発気味。
微妙に笑いは取りましたが、どうも。。。

いろんな先生方とお話していると、結構能楽界のビックネームの方とお知り合いという方がいらっしゃってびっくり。
営業できる感じではありませんでしたが、いろいろ楽しいお話が聞けてよい時間を過ごせました。


帰り、実家に仕舞袴を置きに(滅多に使わないものは実家においています。長裃などもそう)行ったついでに風呂に入ってきました。
マンションだと湯を張るのが面倒でいつもシャワーで済ましているため、久々の湯船は気持ちがイイ!
が、
なんじゃこりゃ?
洗い場にはボトルの山。
無駄にボディソープが4本。
おまけにシャンプーを使おうとしたら中身はこれもボディーソープ。
仕方なく一番髪がゴワつかなそうなダヴであとはリンスで補おうとすると…これシャンプーじゃん!
僕がいなくなった我が家はどうなっちゃったわけ???


ま、今日は久々にFC東京が快勝したからまぁいいや~♪



  1. 2007/05/12(土) 23:28:40|
  2. 舞台|
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第四の犠牲者

またお皿割っちゃった。
一人暮らし始めてこれで4つめ。
あぁー、おっちょこちょい。。。



  1. 2007/05/10(木) 23:03:58|
  2. 一人暮らし|
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睡眠と読書と宴会

さて、予告どおり奈良に行ってきました。
朝6時起き、6時50分出発!…の予定が例によって鼻血にさいなまれ7時出発に…。
新幹線には間に合いましたけどね。

乗ってしばらくは本を読んでいたものの、新横浜過ぎたあたりではや睡魔が。
先は長いことだししばし寝るか…。
が、突然の恐ろしい賑わいに目が覚めました。
そう、その正体は修学旅行生。
三島から乗り込んだ彼奴らは案の定京都まで一緒。
途中で♪ハッピバスデートゥーユー~なんて始まるしそれはもう大変。
頭の中では、何の曲やら、
 修羅の巷と なりにけりぃ~
ってしばらく流れてました。。。
まぁ、僕も大昔向こう側にいたわけだし、彼らにとっては一生の思い出になるかもしれないし、因果応報、旅は道連れ世は情(←これはちょっとちがうか)。
とにかく本を読むことに集中するようにしていました。

ちなみにこの本、「小野小町論」というもの。
某人間国宝の先生から読んでみなさいと渡された課題図書なのです。
正直なところ、この忙しいときにキツイなぁ、と思ったのですが読んでみるとなかなか面白いです。
もう少しで読みきるのでまた書きますね。

予定通り京都には11時40分に着いたものの、能楽堂到着はなぜか13時半近くに。
13時には着いている予定だったのに、僕としたことが時間の計算が甘かったです。。。
すみませんっ!!

申し合わせを終えて帰りは例によって先輩方と車中で宴会。
すきっ腹で飲んだせいか思いっきりまわってしまいました。
おっそろしく下らない話してすみませんです、先輩方。
話の内容にはだいぶ誇張がありますので、どうかそのまま受け取らないでくださいまし。。。

で、見事に小田急で乗り過ごし。
結局タクシーに乗る羽目になり、せっかく行き道節約したのがビールの泡…いや水の泡。



  1. 2007/05/09(水) 23:59:31|
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止揚

午前中師匠のお稽古。
ここ数回「山姥」を見ていただいているのですがこれがなかなかに難しいです。。。

今週末が本番なのですが、今回はカケリ後からという変則バージョン。
このカケリ後の謡が難物です。
謡本上は〝シットリ〟と書いてありますが、これをあまり意識しすぎると「山姥」らしさがなくなってしまいます。
しかしだからとシッカリ謡おうとするとただ重々しいだけに。
〝強く〟かつ〝シットリ〟感もありつつ、ずっしりしつつも重くれず、という一見矛盾しているようなことをクリアしていけなければなりません。
よく直面することですが、能楽師として成長するには避けて通れない道です。

でも今日お稽古していただいて、ぼんやり目的地が見えてきました。
ただ高~い頂上らしきものが見えたというだけで、そのルートがどうだとかはまだこれからなんですけどね。。。



  1. 2007/05/08(火) 21:04:35|
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交通費事情

体がズーンと重い。
昨日の疲れでしょうか?

しばらくゴロゴロしていましたが体に鞭打って買い物。
冷蔵庫に食べ物がなくなっちゃったので。
それと水曜日に奈良に行くので切符を購入しに。
普通にのぞみで行けば13520円ですが、この前静岡行くのに使ったぷらっとこだまだと、なんと9800円!
安っ~!なのですが、7時56分発・11時40分着で約4時間の長旅です。。。

ある先輩にこれで行くことを話したら、
「ばっかだねぇ~~~!」
と一蹴されてしまいました。。。
いいんだい!
早起きは苦手じゃないし、電車の中で読むべき本や勉強すべきことがいっぱいあるんだい!
それに、
お金がないんだい…!

来週末にももう一度行きますが、そのときは朝9時には着いていないといけないのでさすがにのぞみで行きますけどね。


夕方からまた国立で稽古だったのですが、もう眠くて眠くて家で稽古していても謡いながら眠りそうになるは、行き道歩きながら寝そうになるはで頭に全然はいってきません。。。
ま、2科目なんとかパスしましたけど、シテ方なんだしせっかくやるんだからもうちょっとしっかり謡覚えとかなきゃ…。



  1. 2007/05/07(月) 22:16:55|
  2. 稽古|
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上半期ツレ終了

今日は国立で舞台。

まずは初番「橋弁慶」のトモ。
端役なのにちょーいい素襖着せていただいちゃいました♪
ある先生から
「写真撮ってもらってお見合い用にするといいよ」
と言われましたが、いくらなんでもこんな格好のお見合い写真はないでしょーー。

この役は太刀持なので右手に太刀を持ちます。
大真面目に持ってしまうとこれがなかなかキツイのですが、おそらく一番しんどい「小袖曽我」を勤めてコツを覚えたのでこれくらいなら大丈夫!
…と思っていたら途中で位置が微妙にズレて、これはひょっとして手の力だけで持たなくちゃいけないかも…と一瞬ゾッとしましたがなんとかなりました。
でもそんなことが影響したか、謡っている最中一箇所謡が全然出なくなりそうなところが一箇所ありました。
すぐ口が動いてくれたので事なきを得ましたが、録音を聴いてみると微妙に動揺が(というかこの箇所に限らず掛け合いの間があまりよくなかったかも)。
舞台は何が起こるかわからない。
恐ろしい場所です。。。

シテとともに中入りしてもうお役御免なのですが、若手がみんな地謡に出てしまっているので片付けに追われます。
おまけにこの曲は間狂言がすっごく短いので装束替えも大いそがし、その間に子方が出るのでそちらにも気を配らなくてはいけなかったりと大変です。
わずか40分ほどの短い曲ですが、小道具だけで長刀、太刀・小サ刀2本、中啓1本、それでもって大口2つ半切1つ(どちらも袴状のもの)と嵩張るものをはじめとして大量の装束。
(ちなみにトモは素襖なので中啓ではなく仕舞扇を持参します)
これもこの曲が遠い曲になる要因かもしれません。


次の「半蔀」は非番。
今日は予め出しておいた作り物に中入という寸法でした。
よく出る曲なのですが、小書なしでもかなり演出方法に幅があるようです。


トメの「是界白頭は地謡。
こちらは小書つきだったので後半はいろいろと変化がありました。
いやーストーリーは結構ヘンテコリンながら地謡は謡いでがあって大変。
終わるとぐったりしてしまいました。

後シテの半切は変わった模様をしていました。
終わって他の方と稲妻の変形なのか、氷を割った模様なのかと頭を悩ましていましたが、シテの先生にお聞きすると
「えーと、うーん…幾何学模様だっけなぁ」
な、なるほどー。
オールマイティーな名前だ。。。


これで上半期装束を着る機会は終了。
来週の「山姥」の仕舞に向けてがんばります!



  1. 2007/05/06(日) 22:35:51|
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連休中のほんの一息

今日はゆったりな一日でした。
8時過ぎに起きて、洗濯やら洗い物をして、師匠からお借りした手附を写して、そういえばこの前家の前を通ったなと中島みゆきなんぞ引っ張り出して聴きながら、携帯のメモリ整理。
そんなことしてたら偶然今日誕生日の人がいたので久しぶりにメールしてみたり。
でも、後でわかったことだけど非常に間の悪いメールでちょっと凹みました…。


夕方から例の月ノ巻の校正。
2時間細かい文字とにらめっこしているとさすがに疲れます。
帰りがけ師匠の奥様から、
「これであとはご飯だけ炊けばいいからね!」
と、たくさんおかずをいただいちゃいました。

家に帰り早速いただきました。
ああ、おいしー…(←…は、目を細めて遠くを見つめる表情でゆっくり噛み締めている間だと思ってください)。
奥様これだけ料理お上手なのに、本格的にやり始めたのはご結婚されてからだとか。
いやー、愛のチカラがなせる業ですねぇ。



  1. 2007/05/04(金) 23:54:11|
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今日こそは

午前中は宗家継承能の総括(←この単語使うと赤軍思い出しちゃうのって歳かなぁ?)。
めでたくこれで事務仕事は完了です。

その後国立。
大鼓は「楊貴妃」
序ノ舞は省略。
大小序ノ舞に入ってからほとんどやってないのですが、いいのかなぁ。
ま、もちろん打てといわれればいつでも打てるようにはしてますが。

次に太鼓。
「難波」を出羽からというかなり長いものをお願いしたところ、どういうわけか「羽衣替ノ型に。
特殊な手だらけでチンプンカンプンでしたが、細かく教えていただいたのであとは努力で何とかなりそうです。

終わった後しばしお話。
ちょっといい話を伺っちゃいました♪
一言で言えば、芸の道は果てしなく遠い、ということでしたが細かい内容はナイショ。


それからしばらく自分の稽古して、今日こそちゃんと飲み会。
でもみんなが現われたのはやはり集合時刻1分前。。。

この地元飲み会は幼い頃からの付き合いなので、全然気を遣うことなし。
ノーガードの乱打戦バトルロワイヤル状態になりますが、それぞれポジションが決まっているというのか、それでも荒れることはなくなんだかほんわかしてます。

この会は登録メンバーが十数人いてそのうち4人くらい集まれば決行という具合。
でも、僕はなぜか皆勤。
ヒマ人と思われているかも(汗)

今日はちょっと少なめの6人。
でもしっかりお腹がいたくなるほど笑い転げてきました。
ここんとこ自分に余裕がなくなってて、なんだかイライラすることが多かったのでいい気分転換になりました。


明日は宅稽古&金春会申し合わせ。
しっかり気合入れて臨みます。



  1. 2007/05/02(水) 23:59:09|
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ダメ幹事

今日は朝師匠のお稽古、昼から出稽古という日程。
出稽古のとき扇やら謡本の注文があったのを思い出して事務所に寄ってから出稽古に向かいました。
が、
出稽古が終わってから数日前にちゃんと準備して家に置いておいたのを思い出しました。。。

どうも僕はこういうパターンが多く、事前にちゃんと事務資料を作ってあるのにすっかり忘れて全くおんなじ物を2つ作ったとか、2冊の謡本に同じ手附が書いてあったりと、一見几帳面と見せかけて相当に抜けている部分があります。


夜、小中高と同じ学校に進んだ友人が留学するというので壮行会を開くことになっていました。
別の友人から時間・場所と人数の連絡がきて店の予約は僕がすることに。
そこまでやったんなら全部やってくれりゃいいのにーと思いつつも、彼は不可解な日本語を使ったり行動をとったりするかなりの不思議ちゃん。
今回も参加者は7人とメールがきたので、メンバーの名前を教えてもらったら8人の名前が。
聞きなおすと「6人+0.5人+0.5人だから7人」という恐ろしく理解に苦しむ返事がきました。。。

だいたいこの地元飲みはみんな時間がルーズなのですが、いちおう僕が予約したのだから集合10分前に下北沢の駅前に行っていました。
ところが集合1分前になっても誰1人姿が見えません。
しょーがねーなぁと思いつつ前にきたメールを見ていると、
「日程変更 5月2日」
というメールが…。

しょーがねーのは僕。。。
電車に乗らず雨の中徒歩で帰り、自分に折檻を加えておきました。



  1. 2007/05/01(火) 22:22:35|
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300!?

カウンターをみると300越え!
初めてです。
こんな駄文を連ねたブログにお付き合いいただきまして本当に有り難うございます。


今日は久々に少しゆとりのある一日でした。
午前中仕事をして、昼は家族で食事。
以前にも行った駒形どぜう。
うまい~♪
昼から父に付き合って少し飲みましたが、疲れが出たのかほんのグラス一杯だったのにえらく眠くなってしまいました。

しっかり栄養をつけたのでまた明日からがんばります!



  1. 2007/05/01(火) 00:09:25|
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