この曲は初めて。
量が多い上に、緩急があって相当に難しいです。
忙しい時期に初物が来るととてもきつい。
地謡の前列の端っこの一人がちょっと手を抜いても、舞台の成果にはほとんど影響を及ぼさない…かもしれません。
でも誘惑に負けたら最後。
一度ほんのちょっぴりでも手を抜いたらズルズルといってしまいます。
能楽師のほぼ誰もが危機感を持っています。
この先能楽の未来はどうなのかと。
本当に遺産になってしまうのではないかと。
〝日本の伝統芸能〟という看板があるから安心なんて思っていると、ある日それが意味を成してないということに突然気付かされるかもしれません。
看板は国が補強するのが当たり前だということも、いやむしろ(利益を生み出すという意味での)看板だと思うこと自体が甘えなのかもしれません。
「やるからには天下を取れ。そのためにはまず同世代の人間から憧れられるような存在になれ」
というのはある先生のお言葉。
とてもモチベーションが上がる反面、とっても苦しくなってしまう言葉です。
ときどき、少しだけ緩めればいろんな部分で楽になるのではないかと思ったりもします。
でも…。
なんだか最近稽古することが精神安定剤のように、逆に稽古をしないと不安が募ったりするような。
ちょっと病んでますね…(笑)
たぶんシテが迫ってきているからでしょうね~。
ここのところ更新が続いてるのも焦りからくる現実逃避かもしれません。
最近、風呂に子供を風呂に入れながら謡を口ずさんだりしています。
英才教育っていうのではなく、単にピンチだから。
育児本を立ち読みすると、ニコニコしながら楽しいお歌を歌って楽しいお風呂タイムを!なんて書いてあります。
そう考えると、「砧」ってのはちょっとよろしくないような。。。
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