
以前ちょっとだけ触れました、現代劇とのコラボレーションが迫ってきました。
思えば昨年末、普段からとてもお世話になっている中央大学の黒田教授からお話をいただき、正直なところ最初のころは訳も分からないままだったのですが、3月に本読み、4月から本格的な稽古に入りました。
ベースは能
「杜若」。
僕は基本的に能の通りに動きますが、家元からもご承諾をいただき、少しだけ謡が追加されます。
セリフではなく飽く迄謡です。
物語は能の通りに始まり、途中から在原業平役、文学座所属の神野崇さんが登場し、こちらは現代語で伊勢物語を語ります。しばらくは交互に出るといった感じですが、段々と二人が…ま、あんまり言っては面白くないですね。
見どころは、やっぱりイケメン神野さんでしょう。
50名でいっぱいになる小さな会場ながら、専属の衣装さん(数多くの舞台衣装を担当されてきた外崎里奈さん)が、この一日のために仕上げてくださいました。
華やかな能装束にも負けないステキな衣装で、当日2人で並んでみるのが本当に楽しみです。
能は当日数日前に一度だけ申し合わせを行うわけですが、今回は何回も何回も合わせをやりました。
会場のスペースのこともあり、動き方などひとつひとつ作っていく作業はとても新鮮でした。
神野さんと絡むところは、やるたびごとにセリフの調子も変わり、こちらも謡という枠のなかでこうかな?ああしたほうがいいかな?と試行錯誤しています。
こうした経験は、今後きっと能にも活きてくると思います。
来月に入ると、会場で照明(こちらも第一線の方)も入りますし、ワキ方の森常太郎師、地謡・後見の師匠忍先生、先輩辻井八郎師も参加され、いよいよという感じになってきます。
初めての経験で不安がないといったら嘘になりますが、そんなものがちっぽけに感じるくらいワクワクしています!
お時間ありましたら、是非お越しください!
日 時:6月8日(土) 14:00、19:00(19:00の部は完売)
会 場:六本木ストライプスペース
入場料:前売り4000円、当日4300円
お申し込みは、私かストライプハウスビル03-3403-6604まで
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- 2013/05/28(火) 15:12:16|
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4月にとある女子大に伺って、90分×2日の講座をしてきました。
もうかれこれ10年近くさせていただいているのですが、今回は担当の先生にお願いして、レポートを
「どうすれば皆さんが能を観に来たくなるか」というテーマに設定させてもらいました。
そしてそのレポートが今日届きました。
講座は初日は座学中心でが能の歴史、
「葵上」を流しながら能の流れの解説、囃子の説明。2日目が謡と所作の体験、小道具作り、能面・能装束の解説と着付け体験一部、仕舞実演、という流れでした。
年度の頭の講義ということでカタくなってないかなぁと心配したのですが、皆さんとてもノリがよくてやりやすかったですし、約30人という人数もちょうどよかったと思います。
さてレポートですが、皆さん非常に熱心に書いてくれました。
どうしてもこのテのものは、やった内容をなぞって面白かったとか興味深かったとありきたりのものになりがちですが、今回はまったくそういうことがなくいろいろと考えてくれました。
ほぼ共通していえることは、
能に対する知識がないから縁遠く感じてしまうということ。
まず、言葉が難しくて理解できないだろうという感覚があるとのこと。
今回の学生さんは歴史文学や日本文学専攻なので、僕よりも知識があると思いますが、その彼女たちを以っても、です。
残念ながらこの感覚は非常に正しいと思います。
ただでさえ修辞や引用の多い古語の上、独特の節回しのついた謡は一回聴いて意味を理解するのはまず無理だと思います。
それが証拠に(と胸を張っては言えませんが)、金春流にない曲目をいきなり聞いたら僕もちんぷんかんぷんです(ここだけの話、某人間国宝の先生も同じようなことをおっしゃったとかそうでないとか)。
その対策として、現代語訳やみどころをまとめた冊子などが事前にあればという意見が多数ありました。
(→これに関しては毎回僕は詞章とガイドを作成しています)
最近〝スーパー能〟として現代語で演じられるという試みもなされました。
わかりやすくなるという利点がある一方、古文がもつ非日常的な響きや独特のリズムというものもあり、今後しっかりと練ってこうしたジャンルを確立していく必要もあると思います。
また若者が興味を引くものとして
漫画やアニメといった要素も必要なようです。
能楽漫画「花よりも花の如く」や、数年前に作られた新作能「紅天女」のことも書かれていました。
そして授業の中で触れた、これも数年前に先輩が行った、能舞エヴァンゲリオンなどは是非観たいという意見が何人もありました。
そのほかに
映画との組み合わせや、
歌舞伎みたいにクドカンに書いてもらった新作能なんてのはどうかという意見もありました。
そしてもっと
メディアの露出を増やして親しみを持ってもらうべきともありました。
全体として一番多かったのは、今回のような
体験を含めた講座をもっとやるべき、それも
幼稚園から中学生くらいを対象に出張講座をしていくのが最も効果的ではないかということでした。
結局のところ話題性のあることをやるのも大事ですが、一方で地道な努力をコツコツとやっていくことが絶対に必要、ということでした。
なにはともあれ、おかげさまで今回の講座はおおむね好評であったようです。
なかには
「中村先生の授業はユニークで、今回の講義で分かったと思うのですが、女性ウケが良いので…」という今までにないお褒めのことばをいただきました!
7月に別の女子大でやはり2日間、それも今度は1日6時間!の講座もあるので、ちょっと自信持って臨めます(笑)
あ、くれぐれも鼻の下を伸ばさないようにしなきゃ…。
いずれにせよ、講座をやりたくてもなかなかその機会が少ないというのが現実です。
狛江能楽普及会の自主講座や、各種学校での講座、そして売り込みもやっていきたいと思いますが、いかんせん僕個人の力では限界があります。
うちの学校でやってほしい、うちの組織でやってほしいというご要望がございましたら、是非是非お声掛けください!
日本全国、いや世界どこでも参ります!!
- 2013/05/24(金) 00:07:36|
- 考えごと(能楽)|
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なにかと忙しない日々が続いています。
金曜日は高校生以下を対象とした
狛江能楽教室の無料体験講座でした。
当日の様子は
こちらをご覧いただければと思います。
子供たちは日々成長していて、言われなくても体験に来た子たちの面倒を見てくれます。
講師が頼りないから、自分たちがなんとかしなくちゃと思われているのかもしれませんが(笑)
それはともかく、大人がやるより年の近い子供同士のほうが親しみが持てることは間違いないでしょう。
うちの子供もそろそろ通わせようかなと思っています。
体験講座は22日(水)15:00から伊豆美神社にて行います。
お子さんはもちろん、大人の方も是非稽古の様子をご覧になってください。
土曜日は急遽入った仕事で伊豆長岡へ。
三養荘さんという大きな旅館で結婚式のお仕事でした。
朝10時からリハーサルということで、朝は5時半起き。
夏にも薪能で長岡には寄らせていただきます。
観光する間もなく、そのまま和泉多摩川の
カレーショップ・メイさんでミニコンサート(というか講座)でした。

実はこの催しは、能楽教室の生徒さんの営業で実現したものでした。
彼女にもこの前の発表会で舞った
「竹生島」を舞ってもらい、
「高砂」の地謡をしてもらいました。
なんと運動会のあと駆けつけてくれたそうですが、本当によく頑張ってくれました。
今後頼もしい僕の右腕になってくれるかもしれません。
そして今日は音楽の街-狛江の委員として、駅前ライブのお手伝い。

今回はジャズでした。
今まであまり聴いたことがなかったですが、生だとすっごくカッコいいですね!
そうだ京都へ行こうというJR東海の新幹線のCMソングって、元はサウンドオブミュージックの曲だったんですね。
初めて知りました。
聴きながら舞えるかなぁと考えているのは職業病でしょうか?
気温は高くなかったものの、日差しがきつく、さすがに疲れました…。
- 2013/05/19(日) 23:34:49|
- 舞台|
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今週末5月18日(土)16:30より、小田急線和泉多摩川駅すぐの
カレーショップ・メイさんにてチャリティコンサートを行います。
名称はコンサートとなっていますが、講座と実演という形になるかと思います。
アシスタントとして、子方にも何番か出ている中学生の女の子にも出てもらい、仕舞を披露させていただきます。
細かい内容は検討中ですが、能を身近に感じる1時間にしたいと思っています。
参加費は500円、対象は老若男女問いません。
お近くの方は是非お立ち寄りください!
カレーショップ・メイHP地図は
こちら。
- 2013/05/13(月) 09:39:19|
- 出演予定|
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ブログを少し変更しました。
顔写真を掲載し、名前を実名にしました。
今まで名前は伏せていましたが、ちょっと調べればすぐにわかってしまうのでほとんど意味はありませんでした。
振り返ってみれば、書き始めたのは2005年。
もう8年も前になります。
その頃ブログというものが少しずつ流行り出しまして、能楽師、それも修行中の身の人間がどんなことをしているのか世間では全く知られていないだろうと思い、文章を書く練習もかねて細々と書き始めました。
正に駆け出しで、名前を出すのも気恥ずかしいなと思い、とりあえず流儀の決まり模様である〝五星〟とし、今までやってきました。
でもFacebookやらTwitterなどというツールも出てきて、そこでは実名登録しているし、先日ちょっとした切っ掛けがあり、もういいかなあと思った次第です。
書き始めた当初に比べ、告知や報告が中心となり、能楽師の実態を描くという性質のものではなくなってきてしまい、更新頻度もだいぶ落ちてきてしまいましたが、先に挙げたフェイスブックやらと合わせご覧いただけましたら幸いです。
今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
- 2013/05/12(日) 23:38:06|
- 考えごと(能楽)|
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