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駆け出し能楽師の奮闘記
敷居が高いと思われがちな能楽の世界を、能とは関係のない家から飛び込んだ私・中村昌弘の奮闘を通じて少しでも身近に感じていただけたらと思います。

大塚教室ご見学ご希望の方へ

奈良・京都と回って帰って参りました。

久しぶりにパソコンを開け、ブログの管理画面を開いたところ…大塚教室団体稽古見学希望の方が!
それも1週間も前…。
本当にごめんなさい!!
9月は12日(木)と26日(木)の2回、いずれも団体稽古は19:00からですが、20:00頃までは確実におります。

本当にすみません。
これに懲りず是非、ご来場ください!

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  1. 2013/08/30(金) 23:33:16|
  2. 稽古|
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狩野川能

間際になってしまいましたが、明日伊豆の国市で行われる狩野川能にて「舟弁慶」の判官を勤めます。
野外の予定でしたが、台風接近のためアクシスかつらぎにて行います。
入場料1500円(高校生以下1000円)と格安です。
お近くの方は是非ご来場ください!

なお、詳細は伊豆の国市HPをご参照ください。



  1. 2013/08/30(金) 22:54:30|
  2. 出演予定|
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8月25日 奈良・藝育カフェに再び参上!

7月1日に講座をさせていただいた藝育カフェさんに、8月25日(日)に再び伺います。
前回の様子はコチラ

前回は謡・仕舞とも「高砂」を中心にさせていただきましたが、今回は曲目を変えて、実演と体験をしていただこうと考えています。
また能面に加え、能装束も少しだけ持っていこうと思っています。
なんといっても、こちらにいらっしゃる方は皆さん好奇心旺盛で、お話ししながら僕も楽しくなってきてしまいます。
今から本当に楽しみ!

時間:16:00から1時間半くらい 終了後お食事
参加費:¥1,500(晩ごはんセット ※講座のみ・食事のみは不可)
定員:20名(くらい)
★お問合わせ・参加お申込みは sankaku_in_nara@yahoo.co.jp まで

お店のHP http://aalabo.com/
お店のフェイスブックページ https://www.facebook.com/SankakuNaraShimomikado?hc_location=timeline



  1. 2013/08/15(木) 16:32:45|
  2. 舞台|
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能楽普及事業のゴールとは?

今日はとある方と能の普及について相談させていただきました。
いろいろとお話しし、クラウドファンディングや起業家助成金の申請を提案してもらいました。

そこで考えたことは、自分でもさまざまな取り組みを行っている普及活動の目的地をどこに定めるかということです。
上に挙げたようなものは明確な目的と結果が求められます。
学校などの講座・授業は基本的に単発なので、座学よりも、体験を通じて「案外能って面白い」と思ってもらうことをメインにしていますが、それから先は興味があれば本なり、インターネットで調べることはできますし、やがて能を見に行く、習うとなってくれればというスタンスでいます。
いわば種まきですが、これが限界でもあります。

大人向けのものは狛江能楽普及会の5年間で、さまざまな切り口からいろんなことに取り組んできました。
この会自体の発足も、たまたま若手能楽師3人でお弟子さんに来てもらえるように何かやってみようというのがきっかけでしたが、思いのほか反響があり、5年間連続講座やチャリティーイベント、古民家でのライブ、子供教室、そしてそのテレビ取材など様々な方向に広がってきました。

しかし、長期的なビジョンがあったかというと、ほとんどなかったというのが実情です。
その都度どうしたらお客さんが集まるか、楽しんでもらえるかということで精一杯でした。
能楽界も現在ではいろんなところで普及目的の催しが行われていますが、多くはやはりそのあとのケアが少ない状態ではないかと思います。

そうした意味では子供対象の能楽教室は稀有な成功を収めたと思います。
12名という人数は本当に草の根レベルもいいところですが、子供たちの笑顔を見ていると能を好きになってもらえたのかなと嬉しくなります。
こうしたことを各自治体レベルでやっていきたい。
そして稽古をした子供が、更にその下の世代に伝えていくように循環し、あるいは老人ホームなどの慰問などに波及していけば能は少しずつではあっても身近な存在になっていくのではないかと思います。

先日行った女子大講座のアンケートで、日文の学生でさえも思っていた以上に能に壁を感じていたこと、特に〝見に行くことがおこがましい〟という言葉はかなり僕の中で大きく引っかかっています。
そうしたイメージを打破するにはやはり幼い頃から自然に能に親しめる環境づくりが不可欠でしょう。

今年の秋、狛江市内保育園4園を回る予定になっています。
僕自身記憶がおぼろげな2歳からやっていて、一度も離れることなく今この世界にいるわけで、できるだけ幼い時期での体験は、やっと念願叶った思いです。

大人対象の講座では数年前に開催された丸の内朝大学能クラスが大成功を収めました。
講座が終わっても、能楽堂に足を運んでくれて、講座すら自主的に企画してくれるというのは日本全国でも例がないのではないでしょうか。
子供世代の普及とともにこうしたことも進めていきたいと思いますが、それが成功する確立を上げる為にも、時間はかかりますが、やはり幼い時期の種まきがいずれ物を言うと思うのです。


損得ではなく、能楽界の将来を考えて。
流儀の垣根を越えて、普及活動のより高いゴールを目指して、能楽界は突き進むべき時期に入ったのではないでしょうか。



  1. 2013/08/12(月) 22:58:40|
  2. 考えごと(能楽)|
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清泉女子大講座

先週、五反田の清泉女子大に伺ってきました。
履修者数150人、2日合計10時間というのは未知の領域でした。

シオリモザイク入り
清泉能面

講座の内容としては、初日が歴史解説、映像を見ながらの解説(5曲持って行って学生さんの希望で「葵上」になりました)、2グループに分かれて笛・小鼓の体験(全員)と謡と小道具作成体験、能舞台の構造説明、番組の読み方解説、また集まって簡略版舞囃子の実演。
2日目が仕舞実演、すり足・所作体験(全員)、能面体験(全員)、装束体験(希望学生)、「羽衣」の装束コーディネート、鬘結体験(希望学生)、装束着付け実演、装束付仕舞実演、という流れでした。

とにかく150人の全員体験というのは相当に大変で10人ずつでも15ターンかかります。
終わった人、待っている人が飽きないように少しずつ変化を加えたり、話で間を持たせたりと頭と体をフル回転させながらでした。
囃子の体験は特に大変だったようで、「これ、相当ハードな方ですよ…」と囃子方お2人はぐったりされた様子でした。
もちろん僕も2日間しゃべりっぱなしで、立ったり座ったりの連続で2日目終了段階では魂が抜けたようになっていました。
でも、皆さんとても楽しそうに参加してくれて、ツイッターで自分のつけた能面をアイコンにしあっているなど盛り上がってくれて疲れが吹き飛びました!

2日ともリアクションペーパーという簡易レポートを書いてもらったのですが、2日目のお題は、以前の昭和女子大と同じく「皆さんくらいの年代の方に能を見にきていただくにはどうしたらよいか」としました。
みなさん熱心に書いてくださり、大きく分けて以下のようになりました。

①能楽、能楽師の知名度を高める
②公演の値段を下げる
③能楽にもっと触れられる環境をつくる


細かく見ますと、
①については、たとえば歌舞伎俳優といえば何人か名前が思い浮かぶけど、能楽師となると全くわからない。
ドラマに出演するなどして知名度を上げるべき、とか、〝ぴんとこな〟の能楽版のドラマをジャニーズのタレントにやってもらう。
また能楽界の若手イケメンにPR活動をしてもらう。
といった意見が多くありました。

狂言方では萬斎師をはじめ数名の方が既に出られていますが、シテ方ではほとんどいません。
狂言方のほうが長期的に撮影に取り組める融通が利きやすいのと、現代的な演技の仕方に応用が利きやすいのではないかと思います。
あとは若いうちはよそ見せずに稽古に取り組め、という雰囲気が業界的に強いことも間違いありません。
歌舞伎のように松竹がバックにあるわけでもなく、花形役者的な役割分担があるわけでもないので(能はどんな人にも主役の機会があるという意味でかなり平等だと思います)、誰かに特化していくというのが(感情的にも)難しいということがあるかもしれません。
ただ知名度を上げるということは絶対的に必要なので、近い将来、というかできれば今すぐにでも能楽界が全体でスターを生み出すということを考えなければならないと思います。

あるいは、逆にアイドル、役者志望の美男美女に能を稽古してもらうというほうが手っ取り早く実現性も高いかもしれません。
ジャニーズ事務所の方、乗りませんか?(笑)


②は実際に9月の金春会のチラシも配ったのですが、学生2500円という額(一般5000円)が高いという声もありました。
もう少し番数を減らして安くといった声や、時間を短くといった意見も多く見られました。
面白かったのは、能楽堂を若者が来やすいポップな建物にする、というものも。
何名か学校の必修で実際に国立能楽堂に行ったそうですが、どういう格好で行けばよいのやら…と悩んだそうです。
フェスにいくときはコレみたいな、能楽堂に行くにはコレみたいなのをファッション誌で企画をという具体的な意見もありました。
金額については、はっきりいってこれでも赤字なのですが、若い人向けの特殊な切符の販売を提案していて概ね合意を得ています。
早ければ来年度にでも実現できるかもしれません。


③の意見がやはり一番多かったです。
今回の講座はとても好意的にとらえていただけたようで、能に対するイメージが180度変わったという嬉しい声も何人かいただきました。
でも、大学でこうした講座があって、これを受講したからそうであって、そうでない人はおそらく一生能を見に行かないでしょうという非常に現実的な意見もありました。
多くの方が書かれていたとおり、小中高校で能を見たり、こうした講座を、できれば数年ごとに受けられる機会があればなおいいでしょう。

気になったのは大学生の段階で〝敷居が高い〟はおろか、〝私が行くのはおこがましい〟という声まであったことです。
権威といったブランドイメージの確立という意味では成功しているともいえるかもしれませんが、近付き難いとまで思われては全体としてマイナスになってしまいます。
能の切符がたとえば5万10万で、富裕層には確実に受け入れられているというのであればそれはそれで問題ないのかもしれませんが、現状そんなこともありません。
能楽界全体として広く知ってもらおうという方向に舵を切っている今、長い歴史を持っているものであるということは事実であるとして、その事実以上に、〝だから素晴らしいものだ〟というような、ある種水戸黄門の印籠のような使われ方をしてしまうと、結局さわらぬ神にたたりなしみたいに敬遠されてしまいかねません。

僕は講座のときには、なるべく今どきの言葉で、もっといえば軽い言葉で話すように心がけています。
(過去鑑賞教室の曲目解説であまりに盛り上げすぎてしまい、学校の先生からご注意を受けたこともありましたが…)
難しいモノというイメージが先行しているので、それを逆手に取ってやろうという気持ちが心のどこかにあるのかもしれません。
世界無形文化遺産に指定されていますが、このまま遺産になってしまってはいけません。
今に生きる文化として、今の言葉で訴えたいという気持ちもあるのかもしれません。


学校、自治体、あるいはどういった組織・団体でも構いません。
能についてちょっとでも知ってみたい、触れてみたいという方は是非ご連絡ください。
予算がほとんどない…という方もどうかそこであきらめずにご相談ください。
強い気持ちさえあればなんとでも講座のやりようはあります!
僕も今以上に発信できるようがんばります!!




  1. 2013/08/05(月) 22:02:07|
  2. 舞台|
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