蒸し暑い中ご来場いただきました皆様、有り難うございました。
実は一週間前に風邪をひいてしまい、その数日後から声が出にくい状態が続きました。
急激な回復はなく、申し合わせも自分としてはつぶやくような声でさせていただきましたが、師匠からはあのくらいの声量でいいとのことでした。
当日は大先生から「声の調子が悪い時はこれから先いくらでもある。どんな状態でも舞台をちゃんと勤めることが大事。成長過程だと思いなさい」とのお言葉を。
幸い8割程度は回復していましたが、あまり声を張り上げないようにとは思って臨みました。
型の面で主後見をしてくださった大先生から幾つかご指摘をいただいたのですが、長年染みついてしまった悪癖はすぐには直しきれませんでした。
美しい舞台を勤めるには、まず基本がきちっとできていないと始まりません。
少しずつこんがらがった結び目を解いて、無意識のうちに体が勝手に動くまで変えていかねばなりません。
映像を見てみると、運びのつま先の意識をもう少し丁寧に、流れを付けるところに粗さが目立ちました。
こうしたところはやはり一朝一夕とはいきませんが、12月の「道成寺」までに行けるところまで行ってみたいと思います。
4月の「融」で静かな雰囲気を体感したので、その感覚を想いながらの舞台でした。
かえってアダになり平板過ぎたかもしれませんし、暗い雰囲気になってしまったかもしれません。
次に勤める機会があれば、もっと華やかな感じになるかもしれません。
もしご感想などいただけましたら幸いです。
今後とも温かくお見守りいただけますようお願い申し上げます。
中村昌弘 拝
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