今年も残すところあと少しとなりました。
1年間有り難うございました。
私自身思っていましたし、周りの皆さんからも仰っていただきましたが
「勝負の1年」であったと思います。
4月の自分の会の立ち上げ、そして
「道成寺」。
どちらか一つだけでも大変だったと思いますが、そのほかにも多くの〝試練〟がありました。
先生がご療養の中での自分で取り仕切る社中会、初の九州でのイベント、
「朝長」の独吟というお役をいただいた八角亭のイベント、非公開ながら流儀であまり実績のない
「巻絹惣神楽」の稽古能、6月から7月にかけて声が殆ど出ないようなときもあった講座集中期、そして何が何だかわからないまま始まった青年会議所活動…。
7月に企画した「道成寺特別講座」は、ご出演者、スタッフ、大勢のお客様のおかげで大成功に終わりましたが、不安も募りました。
道成寺に向けての準備があまりにも不十分であると。
その後出遅れを取り戻すべく必死で稽古しました。
公演2週間前から流儀の仕事も免除していただき、舞台・出稽古もオフにしひたすら自分の稽古に充てました。
これだけ自分の稽古だけに打ち込める時間というのは、後にも先にもこのときだけ、キツイといえばキツかったですがこれほど幸せな時間はなかったかもしれません。
道成寺は物理的に命の危険がある舞台です。
舞台前日も、もしものときに備えて今後の仕事が滞らないように家内に引継書を託しておきました。
有り難いことに役目を果たすことなく済みましたが、一つ一つの舞台を「命をかけて」という気持ちで勤めよ、そういう気持ちを忘れるなというのが〝登竜門〟といわれる一つの所以ではないかと思います。
大変ではありましたが、振り返ってみてこれほど充実した一年はありませんでした。
同時に本当に多くの方に支えられて今の自分があるのだと、痛いほどに感じた一年でした。
本当に本当にありがとうございました!!
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- 2015/12/31(木) 20:11:53|
- 考えごと(能楽)|
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12月13日、金春円満井会特別公演にて
「道成寺」を披かせていただきました。
皆様に深くお礼申し上げます。
出来としましては、まだまだ未熟なところばかりでありました。
登竜門とは言われますが、終わった後に新たな境地に立てるものではなく、まだまだ「精進せよ」と思い知らされる曲なのだと思いました。
幕に飛び込んだ後は精根尽き果て、しばらく立ち上がることもできないほど。
とりあえず舞いきることはできましたが、実はいろいろなことがあり「君がシテをやるといつもタダではすまないね」と言われてしまいました…。
鐘入りはお陰様で無事に入ることができたのですが、その場ではあまり感じなかったものの、体にはかなりの衝撃があったようで、少し首の具合がおかしいです。
かかりつけの接骨院に行きましたところ、頭をぶつけた衝撃で筋肉が固まってしまって違和感があるそうで、骨には異常ないようです。
ただ放っておくと間接を痛める原因になるので、しばらく通院は必要とのことです。
いずれにせよ、体は、ほぼ無傷ですみました。
こんなことを言ってはご覧になった皆さんに失礼かとも思いますが、前半「僕は能楽師に向いていないのではないか」という思いも頭をよぎりました。
同年代には素晴らしい能楽師がたくさんいらっしゃいます。
その中で必死にやってきたつもりですが、これでは歯が立たない…そんな風に、ふと。
しかし、終わって皆さんから温かい言葉をかけていただき、改めてもっともっと能に向き合ってみようと思いました。
稽古に励むということも勿論ですが、もっと人間として幅がないことには芸が行き詰まってしまう気がします。
割と物事をきっちり進めたがるほうですが、時には奔放に、エネルギーを持ってがむしゃらに進むことも必要かもしれません。
一見能とは関係のないようなことであっても、目いっぱいやってみれば何かが掴めるかもしれません。
そうした意味では昨年末に入会した青年会議所という組織はいい機会を得られるかもしれません。
直近の能のシテは3月13日金春会の
「籠太鼓」となります。
今回の舞台は始まる前楽屋で、主後見の髙橋汎先生から「道成寺はうまくやろうとしなくていい。ただ手順を間違えないようにやりなさい」とおっしゃっていただきましたが、「籠太鼓」はただ型をなぞるだけでは面白くも何ともない曲です。
少しずつ内面的なものを、くどくならないように描いていけるように今後努めていきたいと思います。
これからもしっかり芸道に精進して参りたいと思いますので、変わらぬご支援の程、宜しくお願い申し上げます。
中村昌弘 拝
- 2015/12/15(火) 00:30:24|
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しばらくご無沙汰しておりました。
ちゃんと生きてます。
いろいろと慌ただしく、10月末に行った道成寺紀行も写真は撮ったものの上げられずじまいです。
(気が向いたら書きます)
今日は申合せ(舞台リハーサル)でした。
「道成寺」の場合は下申合せをやる場合もあるそうですが、今回1回だけ。
実際に三役(ワキ・囃子・狂言)の先生方にお相手いただいて、本舞台で鐘を吊った状態でやるとなると、稽古を重ねてきても想定外になることがあるものです。
(それ以外に思い違いもありましたが…)
あと10日、ラストスパートをかけていきます!
さて切符ですが、円満井会事務所でも、残すところ委託販売していたA席が戻ってきて数枚、GB席という脇正面後方の席が数枚となりました。
ただし私の手元にキープしていた枚数より実際の発注枚数が少なかったりで、現在
SS1枚(正面3列目!) 、
S席4枚(正面後方2枚、脇正面前方2枚)があります。
ご希望の方はメールか左のフォームからお申込みください。
早い者勝ちです!
- 2015/12/03(木) 23:51:30|
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