今年の1月は、ああひと月長いな…、と感じたものでしたが、振り返ってみると今年もまたあっという間でした。
毎年忙しかったな、と思いますが、今年はまた更新したと思います。
良く倒れないなと思いながら、何とか走り切った、そんな1年でした。
シテとしては
「鉄輪」と
「井筒」の二番。
「鉄輪」は昨年半能をさせていただき、丸能でとなり、自分としては思い切って「やって」みたという舞台でした。
「井筒」は能楽師として一つの節目となる曲で、舞台上でなんだかあっという間に過ぎ去っていった幸せなひとときでした。
舞囃子やツレの機会もたくさんいただきました。
手帳を見直すと、いろいろなことをやってきました。
雅楽との合同講座、早朝からの泊りがけ講座、初めての国分寺でのイベント、今年から始まった先生の講座でのアシスタント、いろいろ仕掛けてみた社中会、母校中央大学でのインド文化との比較講座、恐らく能楽界前代未聞の地味すぎる企画を入れた4流儀講座、お弟子さん19名の地謡での仕舞、老人ホームへの継続訪問、ラジオやテレビの収録、本の取材、稀曲・復曲・新曲の数々、来年その先に向けての準備…。
そして、今年1年務めさせていただいた狛江青年会議所理事長職。
年が変わるその瞬間までが任期ですので、まだ気を緩めることはできませんが、時間としては残りあとわずかとなりました。
恐らく能楽師としては一生経験できない様々な体験ができました。
その経験が良い方向に出るか、そうならないかは、今後の私の活かし方次第です。
ただ少なくとも今この段階では本当に得難い経験と仲間を得ることができて、活かさないことのほうが難しいと感じています。
今年関わったすべての皆様に感謝申し上げ、本年最後の投稿とさせていただきます。
来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
中村昌弘
【2017年の出演記録】
2月22日~ 麻生市民館公開講座(全3回)
3月4日 いずみ春の祭典
3月12日 円満井会定例能 「放下僧」ツレ
3月14日 青翔会 舞囃子「玉葛」
3月15日 囃子科協議会 舞囃子「高砂」
3月19日 築地社会教育会館講座「雅楽と能」
4月1日 むいから能楽鑑賞会 舞囃子「芦刈」「花月」
4月12日~ 狛江能楽普及会講座(全3回)
4月15日 円満井会定例能 「鉄輪」
4月30日 万葉会 番外連吟「初雪」
6月4日 金春会定期能「芦刈」ツレ
7月19日 4流儀講座「井筒」
7月22日 あさおサークル祭
8月5日 藤菜会 舞囃子「西王母」
8月8・9日 むいから寺子屋“能を楽しく学ぼう”
8月20日 金春五星会 仕舞「嵐山」
9月10日 金春会 「井筒」
9月16日 円満井会定例能 仕舞「清経」キリ
11月5日 名古屋金春会 仕舞「養老」
12月3日 狛江能楽教室発表会 番外舞囃子「邯鄲」
※非公開講座
狛江第六小学校
東京青年医会早朝勉強会
赤羽正光寺花まつり
東京たまがわロータリークラブ卓話
昭和女子大人文学部歴史文化学科
札幌市立山鼻中学校
世田谷生涯大学
中央大学総合政策学部
古武道ワークショップ
千葉商科大学 等
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- 2017/12/31(日) 21:31:49|
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来年2018年2月11日(日)、10時~17時まで、狛江エコルマホールにて、
ふらっとエコルマ、オープンハウス「遊べる、学べる“能図鑑”」が開催されます。
能を良くご覧になる方にも、また能は全く初めてという方にも楽しんでいただけるよう企画しました。
朝から夕方まで、ホールの施設をすべて使って、それもワンコイン(中学生以下は無料!)、内容も能楽界としてはたぶん前代未聞のイベントだと自負しています!
728席あるホールに本格的な能舞台を組み、実際に舞台に上がって、能楽師の指導の下、舞台上の目線を体験できます(要白足袋または白靴下)。
その他ホールでは、この当日に向けてゼロから5回のお稽古をされた方が、謡、笛、小鼓の発表をしたり、アマチュアの皆さんのミニ発表会もあります。
フィナーレには能装束の着付け実演、曲目解説のあと、金春流宗家憲和師に
素謡「翁」をお願いし、私が
半能「是界」のシテをさせていただきます。
ホールと同じフロアにあるリハーサル室では楽器体験として、狛江能楽普及会で一緒に活動をしている栗林さんと鳥山さんが笛と小鼓の体験指導をします。
ホールから2階上、いつも講座をしている展示・多目的室では、狛江在住の面打師辻高毅氏の能面の展示のほか、能×文学、能×美術、能×身体と3つのテーマで講演、ワークショップを行います。
能は観たこと、やったことはないけど文学、美術、身体の使い方には興味がある、という方にオススメです。
○文学
夏目漱石など実際に能の稽古をし、作品にも反映されている近代文学を能楽師の実演を交えながら、普段普及会でも講師をお願いしている能楽研究家後藤和也氏にお話しいただきます。
○美術
能の楽器の美を中心に能楽師が説明をします。
普段、楽器の説明となるとどうしても音色や舞台上での使い方ばかりになってしまいますが、鼓の胴に描かれる蒔絵など、それだけで十分美術工芸品としての価値を持っています。
また「道具」としての特別な絵柄があったり、また能面についても普段の能楽講座ではなかなか聞けない部分にスポットを当てます。
○身体
もともと武士に愛された芸能ということで、その所作がいかに理にかなったものか、柔剣雷心館代表永野勝氏に体験もしていただきながらご指導いただきます(動きやすい服装でご参加ください)。
能の所作をちゃんとマスターすることで、人を倒すことができるという不思議な体験ができます。
柔剣雷心館さんについては
こちらをご覧ください。
そして入ってすぐ、ホール前のロビーでは能楽師が説明をしながら、能面や能装束、裃の体験ができるほか、長刀を構えた写真を撮れたりします。
お子さまもOK!家族連れでもみんなで撮れます。
更にミニ舞台では能楽囃子や能装束の部分着付け体験など当日発表のミニ企画もあります。
チラシ表面の左下の絵に釘付けになられた方も多いと思いますが、こちらは漫画「能面女子の花子さん」(著者織田涼さん)のキャラクター花子さんです。
女子は能面を着けて生活しなければならないという掟の家庭に育った女子高生花子さんを取り巻くコメディー漫画です。
講談社さんの全面協力をいただき、複製原画展示やパネル等の展示をご検討いただいています。
また、リアル花子さんがサプライズで登場予定!
一緒に写真も撮れちゃいます!
そのほか館内の至る所に演能写真や能楽トリビアパネルの展示、全部回るとグッズがもらえるスタンプラリーもあります。
更にスタンプラリーを終えた方には最後に豪華景品が当たる大抽選会も行います。
入場料500円で、景品が数万円…なんていうこともあるかもしれません。
切符のご購入方法は
こちらをご覧ください。
今回を逃すと、たぶん2度とできない企画です。
寒い時期ではありますが、いらっしゃって絶対損はさせませんので、ぜひぜひお誘いあわせの上ご来場ください!!
- 2017/12/24(日) 02:07:42|
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来年、平成30年3月3日13時30分より、
第三回金春流能楽師中村昌弘の会を開催させていただきます。
(図らずも3が並びました)
今回から会場を国立能楽堂に移し、大曲
「望月」を長男と共に挑戦させていただきます。
共演者には重鎮、若手の実力者を揃え、万全の布陣で臨みます。
前回よりスタートしました、他流儀同年代の方との立合仕舞には、喜多流大島輝久師をお招きし、杖物二番と題して「弱法師」「藤戸」の二番をお送りします。
地謡も立合色を強めるため一人地謡とさせていただいており、喜多流は長島茂師、金春流は私の師匠である髙橋忍先生にお願いしました。
流儀の仕舞は「望月」にちなみ仇討ちものとして、宗家憲和師、前宗家安明師親子による「小袖曽我」、櫻間金記師による「富士太鼓」をお届けします。
狂言は同年代の山本則重・則秀兄弟による「鎌腹」をお楽しみいただきます。
また上演に先立ち、金子直樹氏による解説もあり、初めての方をお誘いいただきやすい公演を心がけました。
当日はチラシの原画展示と、ポストカード及び「望月」にちなんだ和菓子を当日限定販売する予定です。
また大島師との対談を掲載したパンフレットも配布致します。
30代最後の私の会となります。
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。
- 2017/12/01(金) 14:00:15|
- 出演予定|
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