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駆け出し能楽師の奮闘記
敷居が高いと思われがちな能楽の世界を、能とは関係のない家から飛び込んだ私・中村昌弘の奮闘を通じて少しでも身近に感じていただけたらと思います。

円満井会定例能「熊坂」終わりました

昨日、円満井会定例能「熊坂」を終えることができました。
お越しくださいました皆様、お気に掛けてくださった皆様、舞台・楽屋で共演、また支えてくださった皆様、本当に有り難うございました。

まだ映像や写真を見ていないのでよくわからないのですが、長範頭巾が乱れてしまったようです。
なんだかヒラヒラしているな、という感じはしたのですが、どの程度の状況かは面の中からは分からず、とにかく舞い続けるという判断でした。
顎紐が緩んでしまったのが原因のようですが、紐の締め具合は最終的に着付けられる者の責任。
自分で最後に確認を怠ってしまったことが全てです。

3月の「望月」までは本当にいつ倒れてもおかしくないくらいの忙しさでしたが、それ以降は決して忙しくないというレベルではないものの、なんとか「熊坂」に集中できる環境にありました。
普段あまり曲について考え込まないようにしているのですが、今回は役柄など色々考えてやってみました。
能は演劇の一部という考え方と、能は演劇ではないから芝居がからないようにという考え方があります。
普段は後者寄りで、あまり色を出さないようにと思っていましたが、今回はいろいろと考え、出すというより滲み出てくれればという思いでした。

今月で40歳という節目を迎えます。
これからどのような能楽師になっていけるか、これから10年くらいが本当の勝負どころだと感じています。

次は10月の「吉野静」。
現在物の三番目という難しいところですが、違うステージに来たな、と思っていただけるよう、この曲とよく向き合っていきたいと思います。

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  1. 2018/07/01(日) 11:22:09|
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