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駆け出し能楽師の奮闘記
敷居が高いと思われがちな能楽の世界を、能とは関係のない家から飛び込んだ私・中村昌弘の奮闘を通じて少しでも身近に感じていただけたらと思います。

2018年を振り返って

まもなく2018年も終わろうとしていますが、例年にも増して年の瀬感がありません。
ギリギリまで慌ただしい1年でした。
年賀状の作成も最遅記録になってしまいました…。

今年は3月までがまずひとつ大きなヤマでした。
2月のエコルマオープンハウス、3月の自分の会。
ここまでは本当に息つく間もありませんでした。
能のシテとしては6月円満井会定例能、10月の金春会定期能(この近辺も大変でした…)もあり、3番と半能1番です。
その他に水戯庵でもショートバージョンながら半能や仕舞、ツレも6回ほどお役をいただきました。

今年は長男のお役が多かったというのもありました。
3月の「望月」、6月の「自然居士」、9月の「嵐山」。
「望月」は羯鼓、「嵐山」は天女ノ舞と囃子事があり、特に後者は国立の周年記念の大きな会で、こちらも大きなプレッシャーでした。
そして12月は「邯鄲」、だったのですが…。
できることはすべてやって迎えたはずの当日にまさかのインフルエンザという事態となってしまいました。
先生の記念すべき日にどうお詫びしてもお詫びしきれません…(スクランブル登板してくださった林美佐さんには本当に感謝です)。

その先生の会“士乃武能”では私も、素謡「翁」の千歳や仕舞の地頭など、身に余る大役をいただきました。
本当に毎日忙しく動き回っておられる中、あの舞台を成し遂げられ、大きな大きな背中を見せていただいた気がします。
本当におめでとうございます。

そして流儀としても大きな節目を迎えました。
昨年宗家継承された金春憲和先生の継承披露パーティー、披露能があり、本格的に81世として始動されました。
流儀として少しずつですが新しい事業等が動き始めていて、私も微力ながら尽力して参りたいと思います。
来年以降の活動に是非ご期待ください。

仕事以外では4年間在籍した狛江青年会議所を今日(40歳を迎える年の12月末日)を以て卒業となります。
この時間軸だけ他とずれているように錯覚するほど本当に濃密な日々でした。
能楽師では絶対に関わることのなかったであろうことに、仲間とともに必死になって取り組めたことは何にも替え難い経験となりました。
この経験を生かすも殺すもこれからの自分次第です。
来年も外部監事として少ーしだけ関わらせていただきますが、これまで割いていた時間を、ここで得た新たな視野をもとに、斬新な取り組みをしていきたいと思います。

本年も有り難うございました。
来年も宜しくお願い致します。


【2018年の主な出演舞台】
1月27日 円満井会 「初雪」ツレ
1月30日 麻生市民館公開講座
2月11日 エコルマオープンハウス 半能「是界」ほか
2月14日 狛江能楽普及会講座
3月3日 中村昌弘の会 仕舞「藤戸」、能「望月」
3月25日 川崎能楽堂公演 「舎利」ツレ
3月31日 むいから能楽鑑賞会 舞囃子「八島」「天鼓」
4月14日 円満井会定例能 仕舞「雲雀山」
5月25日 大宮薪能 「土蜘」胡蝶
6月30日 円満井会「熊坂」
7月11日 4流儀講座「高砂」
10月6、7日 鎌倉薪能 半能「石橋」ツレ
10月7日 金春会「吉野静」
10月31日 大阪金春会「清経」ツレ
11月11日 金春会「俊寛」成経
12月23日 狛江能楽教室発表会 舞囃子「巻絹」
12月24日 水戯庵 半能「敦盛」

千紘
3月3日 中村昌弘の会 「望月」子方
6月24日 轍の会 「自然居士」子方(シテ櫻間金記師)
9月15日 国立能楽堂開場35周年記念公演 「嵐山白頭」子方・勝手(シテ金春安明師)

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  1. 2018/12/31(月) 23:02:43|
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