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駆け出し能楽師の奮闘記
敷居が高いと思われがちな能楽の世界を、能とは関係のない家から飛び込んだ私・中村昌弘の奮闘を通じて少しでも身近に感じていただけたらと思います。

万葉会錬成会

「先生、合宿しましょう!」
という一言から今回の錬成会が始まりました。

昨年伊勢に奉納に行きましたが(過去の記事参照)、そのメンバーが中心となって今回企画してくださいました。
伊勢のときは最後時間がいっぱいいっぱいだったり、お金が足らなくなったりとダメ幹事っぷりを発揮してしまったために、「先生になにもさせるな」というのがお弟子さんの合言葉だったそうです(笑)

万葉会というのは幼い頃からご指導いただいている先生の会で、僕が小学校に上がる前に高尾山の薬王院でやはり錬成会をしたことがあり、その後まもなく妹が生まれたこともあり僕は参加できませんでしたが、もう一度伊豆のあさばであったそうです。
会としてはそれ以来、実に約30年ぶりの実施となりました。
この錬成会を行うにあたり、もちろん先生にもご相談しましたが、先生は遠出は大変とのことで、僕に一任してくださいました。

参加された方は20名、そのうち同伴のご家族が2名、大先生のお弟子さんのゲスト参加が1名でした。
近場の箱根ということもあってか、大勢ご参加いただきました。
そして、御好意に甘えて家内と子供2人も同伴させてもらいました。

さて錬成会中身ですが、いろいろ案が出た中で、先輩の会での稽古を参考に「100番稽古」という形にしました。
先輩の会では「100番仕舞」なのだそうですが、謡しかされていない方もいるので独吟も含む形としました。
他にみんなで一緒に舞う有志相舞、有志連吟も入れ、最後に千秋楽で100番としました。

長男も「高砂待謡」の独吟と、先日の五星会で結局僕の後ろに隠れていた仕舞「老松」をやる予定だったですが、寝転がるわふざけるわで全然…。
僕も3歳で初めて舞ったときは実は先生と一緒だったのですが、薬王院に行ったときは覚えている謡を頼まれてもいないのにみんなの前で方っ端から謡っていました。
この照れ屋は治るものなのか。
来年の自分の会で仕舞をと考えていましたが、これだと番組に載せるのは相当勇気が要るな…。

さてその100番稽古ですが、最大で1人13番。
お稽古歴は10年を超える方も3名ほどいらっしゃいましたが、他は5年弱が2名、ほとんどが2年程度、今年の春に入られた方もいらっしゃいました。
2日合計約6時間。
正直、大変過ぎて音を上げてしまうんじゃ…と心配していましたが、皆さん大変といいながらとても楽しそうでした。

夜の宴会も実は多芸だったという方が多く、大盛り上がり。
子供たちもたくさん遊んでもらって夜はぐっすりでした。
錬成会ぐっすり

お茶菓子はこうしたものが。
錬成会お菓子
伊勢のときもそうだったのですが、曲にちなんだものがあるのです。
狐の砂糖菓子(「小鍛冶」)、鞍馬杉というコロンみたいなお菓子(「鞍馬天狗」)。
そして右下にある5つの丸いお菓子。
稽古のときに京観世という観世水をあしらったお菓子のことをお話ししたら、それを覚えていてくださって手作り詰めてくださったとのこと。
それも奈良にちなんで吉野葛を入れるという気の配りよう!
これ能楽堂土産にできないですかね~。

あっという間の2日間でした。
隔年でいいかななんて思っていたら、「来年は秋にやりましょうか?」なんてお話しが。
初めて顔を合わせるお弟子さんが多い中、これだけ和気藹々とされていて、ああよかったな~と実感できるひとときでした。
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  1. 2014/09/02(火) 22:53:02|
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