その友人はいわゆる“元彼女”。
中学から高校の間お付き合いした人だ。
とはいえ、「つきあいましょう、そうしましょう」という、カタく言えば契約が成立したときから彼女は遠い地へ行ってしまい、半年後6時間かけて会いに行ったとき、最初で最後のデートでフラれてしまった。
5年前に上京してきたとき、何人かと一緒に会ったことがあるが、二人で会うのはその12年前以来。
とはいえ、よくありがちな再び…なんてことはない。
彼女は今年3月に結婚したし、僕も懐かしい感覚はあっても、恋しいという感覚はない。
別れてしばらくは精神的にキツイあまり和歌なんか詠んじゃうくらい(笑)だったが、時間が経つにつれそれも癒え、翌年からお互いに年賀状のやり取りをしたり、たまに電話したりと以後女友達としての付き合いをしてきた。
一口に友達と言っても異性である以上濃淡があると思うが、そういう意味では純度100%の女友達と断言できる。
それでも待ち合わせのときは、しばらくぶりということでか正直なところ妙な緊張感があったし、会ってからもしばらくは何となく目を合わせにくい感じがしたが、酔いも手伝ってだんだんごく普通に腹を割った話ができるようになってきた。
中学の同級生の近況、家族のこと、彼女の旦那さんのこと、そしてお互いの仕事のこと。
能のことを話してると熱を帯びてきてしまい、「あついねぇ~」なんて言われた。
彼女も「私はそんじょそこらの人には出来ない仕事をしている」という自負があり、仕事に誇りをもっている。
同世代の他業種の人と話していて、何か仕事に冷めた感がある人が少なくない中、こういう暑苦しいくらいアツイ人と話すのはなんだか心地いい。
話している間、彼女は新婚さんらしく幸せそうだった。
僕も一点の曇りなく祝福していた。
そういえば旦那さんは僕と気が合いそうなのだって言ってた。
一度、サシで話してみたいな。
こんなヘンテコな女のコ(失礼)を好きになっちゃったヘンテコな男二人で。
4時間くらいずーっと話して、彼女は門限が迫り帰って行った(寮生活をしている)。
金八先生で「中学のときに愛した人は一生の宝です」なんてセリフがあったと思う。
当時「愛した」というレベルだったかというとちょっと疑問だが、少なくとも別れたあと「こいつは本当にいいヤツだな」と思えるようになり、今もそれは続いている。
たぶん、これからもずーっとお付き合いする人になるだろうなぁ。
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