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駆け出し能楽師の奮闘記
敷居が高いと思われがちな能楽の世界を、能とは関係のない家から飛び込んだ私・中村昌弘の奮闘を通じて少しでも身近に感じていただけたらと思います。

能楽師への道③ ~初めての子方~

またまた大きく間があいてしまいました…。

さて前回は仕舞での初舞台を果たしました。
今回は能デビューです。
(いつも気になるんですが〝初舞台〟というのは文字通り初めて舞台に立ったときなのか、有料の会のときなのか、どちらなんでしょう??後者だとすれば今回が初舞台ということになります)

記録を見ると1985年4月21日となっていて、僕は小学校に上がったばかりの6歳です。
場所は国立能楽堂で、曲目は「桜川」でした。

この曲の子方は最初のほうに出てきて、立膝でちょこんと座っていて最後のほうになったら帰るだけ。
セリフもありません。

割とその当時のことは鮮明に覚えています。
稽古のとき、初子方ということもあってかなりお稽古をしていただいたのですが、歩くときに目がキョロキョロしたり口がもごもごしたり、そのあたりを結構注意されたりした記憶があります。
謡がなく、歩くだけという動作にだんだん飽きてきて、行進のように手を振って歩いて先生を呆れさせてしまったこともありました。

さて当日。
申し合わせのときは足が痛くって座っている間7回足を組み替えましたのですが、当日は我慢して3回に減らし、我ながらよく頑張ったナァとちょっと誇らしげに思っていました。
大きな事故もなくおとなしく座っていたと思うのですが、気持ちはそこにあらず。
ちょうど目の前に祖母に似た人が座っていて、「おばあちゃん来るっていってなかったはずだけどなー」と考えていたり、時計をちらちらみては「まだまだだー」とか思っていました。
国立の時計は中正面の後ろあたりにあったはずなので、かなり首を動かしていたことになります。

子供にとって約1時間じっとしているのは拷問に近いものらしく、泣き出してしまったり眠ってしまったりということがままあるようです。
そう考えてみると、落ち着きはなかったもののちゃんと座ってちゃんと帰った僕は我ながら優秀!(自分で言ってりゃ世話ないです)

というわけで僕の子方時代が始まります。
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  1. 2006/05/01(月) 21:14:29|
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