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女流能楽師 

「能楽師に女性の方はいるんですか?」
講座などでよく聞かれる質問です。
「僕の師匠も女性です」と答えるとだいたいみなさん「へ~、そうなんですか!」という反応をされます。

歌舞伎は歴史的経緯から女性は舞台に立てないことになっていますが、能楽界はそういうことはありません。
ただし女性の役を演じるときは必ず面を掛け、一方で原則として物語の中で現在進行形で生きる青年・壮年の男の役は面を掛けない(なのでワキが面をかける曲はありません)といったことから、女性が舞台に立つということは想定していなかったとはいえるかもしれません。

能楽人口全体としては恐らく女性のほうがだいぶ多いのではないかと思いますが、プロに限ってみると女性はごく少数です。
金春流は先代宗家以来女性を積極的に育成してきたので、他流よりその比率は高くなっています。
今年でみると金春会定期能、円満井会定例能で計6回女性のみの8人地謡が編成されています。
それでも女性が舞台に立てる機会というのは少ないのが現実。
地謡の編成も声の高さが合いにくいため、基本的に男性の地謡に女性が混じるということはありません(流儀によっては後列男性、前列女性という組み方はあるようです)。

地謡に出るということはただ舞台を見て勉強するのでは決して得られない経験ができます。
その舞台に向けて暗誦することにより無本で謡える曲のレパートリーが増えるのはもちろん、地頭の呼吸を一番近い位置で感じることができたり、囃子方とのせめぎ合いを肌で感じることができるからです。
地謡に参加できるチャンスが少ないということはそれだけハンデを背負っているとさえいえるのです。
以前ある女流の方が「私たちの3年が男性だと1年だものね」と仰っているのを聞いたことがありますが、こうした面から考えると1:3が正しいかはわからないものの男であるということで下駄を履いているということは確かなことだといえます。


今日はその女性の師匠のところでお稽古のお手伝いをしたあと、水道橋へ。
研究生仲間の舞台を見所から拝見しました。
舞台を眺めているとシテ以外にも研究生が4人。
見知った方がいる安心感なのかなんなのかちょっと頬が緩んでいまうような変な感じです。

曲目は「船弁慶」(金春流は「舟弁慶」と表記)。
最初につらつら長い文章をなぜ書いたかというと、この曲のシテが女性だから。
研究生稽古に行き始めてまもなく「この人デキる!」と思った人が何人かいましたが、彼女もその1人。
今日もキレのいい舞を舞っていました。
不覚にも中入前にウルッときかけてしまったり。
幕のすぐそばにいたのですが、トメのときに荒い息遣いが聞こえてきました。
小さな体であれだけ大きく舞うということは僕が舞うのよりもはるかに体力を消耗するのではないかと思います。

帰って僕が前にやったビデオを見てみました。
全然ダメじゃん、自分…。
2年半経っているから、今舞えばもう少しマシだとは思うけど…。

「清経」のツレ、「猩々」のシテまで気がつけばもう10日ほど。
最近イマイチ気合の入らない日が続いていましたが、今日はいい刺激になりました。
さぁ、頑張るぞ!!
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コメント

五星さんが脇正側の入口の前に立ってみていらっしゃるの気がついていました。玄人の方が他に何人かいらしていました。

若い方の懸命の舞台、五年後十年後二十年後、伝統が受け継がれ花開くことを期待し感じつつ舞台を拝見致します。

同じ時代を生きていることの嬉しさ喜び。

とも #4MYqBuuY | URL
2006/10/22 22:57 * edit *

僕にとって今は頑張ってもなかなか結果が出ない苦しい時期ですが、それを糧にいつの日かきっと美しい花を咲かせます!
その花をご覧いただけるよう精進して参りますので、これからもどうぞ宜しくお願いいたします。

五星 #lVShtGQM | URL
2006/10/23 21:45 * edit *

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