楷書から行書へ
2007/06/02 Sat. 23:29
往復運賃無駄だなぁと思ったのですが、最近はこんなものを発行してくれるんですね。

〝お忘れ物お引取り乗車票〟なるもの。
流儀にこういう珍しい切符を集めてる方がいるので今度差し上げようっと。
そのまま井草八幡宮へ。
名称的には神楽殿となっているのですがどっからどう見てもきちっとした能楽殿があり、ここで毎年薪能が行われています。
曲目は「鵜飼」、そして年に1度あるかないか、地謡の後列でした。
が、終わってから地頭だった師匠に、
「今日は少し控えた?」
と。
比較的近い曲ですし、自分としては思いきり謡ったつもりだったのですが、まだどうしても合わせようというのが無意識に働いてしまうようです。
普段前列にいると、後ろから来る声に如何に自分の声を馴染ませるかということを第一に気を払っています。
(もちろん流されるだけじゃなく、万が一他の7人が全員咽てしまうようなアクシデントがあったとしても一人で謡ってやる!というくらいの気持ちで稽古はしておきますけど)
しかし後列になると自分でそれを発信していかなくちゃいけません。
当然地頭の意向を汲むというのは後列であっても大事なことですが、それだけじゃ足りません。
2年ほど前に「八島」を後列で謡わせていただいたときには足を引っ張るだけだったという思いでしたが、今回は引っ張ったということはなかったと思います。
ベストは尽くした。
でも戦力にはなってない。
ただ拍子を外すことなく声を出していたというだけ。
楷書がちゃんと書けなければ行書、草書は書けません。
僕はまだ楷書が万全かと言われればそれもどうか。
でも楷書を磨きつつ、少しずつその上を見つめ始めなければならない時期にさしかかっているのかな、と。
今日はそんなことを考えさせられた舞台でした。
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コメント
初めまして
履歴を見て、おじゃましました。
舞台に立っておられる方の率直な思いが綴られていて。
とても興味深いです。
楷書から上を目指さなくてはというくだりは....
ワタシの現在の境遇とも相通ずるところがあって。
とても考えさせられました。
またじゃまさせて頂きます!!
ようこそ!
ご覧のとおりまだぺーぺーなのですがいつか日本一の能楽師になれるよう頑張ります!
またいらして下さいねっ。
2007/06/03 22:15 * edit *
初めまして。
お能を観るようになってまだ2年 時々読ませていただいています。
学生さん達の前で能を「初恋」にたとえてお話しされた記事がとても印象に残っています。その解説を私も聞いてみたかったです。
書道の話です。中国で「楷書を練習しています。」と言うと 人民は「もう?すごいね。」と驚きます。私もペーペーなのに「?」とわけを尋ねてみると 彼らは漢字の成り立ちから習うからなのだそうです。篆書→隷書 草書 行書 最後が☆楷書。そういう方法もあります。日本一は世界一です。陰ながら応援しています。(*^_^*)
2007/06/08 17:16 * edit *
はじめまして!
「初恋の気持ちで」論はあのときあまりに反応が悪かったのでその後使っていませんが、秋に女子大生相手の講座があるので久しぶりにいっちょやってみましょうか!
でもスベるとあとがとってもやりにくいので充分に空気を読みながらですが。。。
文字の捉え方もそういう仕方があるんですね。
発想の方法としてなにか今後に生きそうなお話です!
有り難うございますっ。
2007/06/09 00:33 * edit *
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