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やがて来る日 

2年に1度の大イベント、円満井会特別公演でした。
今回は先輩が能楽師の登竜門、「道成寺」を披かれました。

初番は「橋弁慶」
シテは奈良在住の分家ご当主です。
分家当主なんて書くとなんだかものすごーく遠い存在なように聞こえてしまいますが、まだお若く気さくな方です。
以前泊りがけの公演があったとき、風呂に入って頭を洗い流しているといつまでたっても泡が切れません。
おかしいなと思っていると背後に人気が。
シャンプーボトルを逆さまにしてニヤニヤ笑っている人…、そんな方です(笑)

この曲の子方牛若丸は型が多くとっても大変な役ですが、今回はそのご長男が勤めました。
数年前金春会で「舟弁慶」の子方を勤めたときは、まだちっちゃくてそれはそれはカワイイ義経でした。
舞台から出てきただけでお客さまがどよめいちゃうくらい。
その数年後「初雪」の後場を見事に勤めていましたが、初めてきた横浜能楽堂の構造が面白かったらしく開演までひたすら走り回っていました。
僕は楽屋働きだったので一緒にまわりましたがヘトヘトになっちゃいました。。。

その彼ももう4年生。
ちょっとぽっちゃりしていました。
この年齢になると僕も経験があるのでよくわかりますが、舞台が恐くなってきてしまうようです。
始まる前楽屋の廊下の隅っこでずーっと体育座り。
着替えてからもため息をついたり浮かない表情でした。
でも舞台に出てからは一変。
緊張はしていたようですが、実に頼もしい牛若丸でした。
「花よりも花の如く」にもこんな話がありましたが、舞台裏でも実際にこんなことは起きているのです。


僕の出番はそのあと仕舞の地謡から。
すごく汗かきました。
満員のお客さまの熱気というのももちろんですが、「船橋」という初めて謡う曲があったのがその要因かと。
型も見たかったのですが全くその余裕がありませんでした。。。

そして「道成寺」。
僕は前列の真ん中。
後輩の僕がこんなことを言うのもなんですが、シテの先輩は間違いなく今回が最もいい舞台だったと思います。
どちらかというと舞台前かなり緊張されるタイプなのですが、今日は雰囲気からしてすごくリラックスされているようでした。
地謡も熱が入り、地頭のまん前で謡っていたにも関わらず、後列は誰が地頭だかわからなくなるくらい目一杯きたので負けじと謡ってきました(後で小鼓方の後見から「ずいぶん声が聞こえましたよ」と言われました。いいのか悪いのか。。。)。

終わったあと「疲れたぁ~~」と言いながらも先輩はすがすがしい顔をされていました。



僕もプロとしてやっていく以上、今後10年という年月の中で必ず挑まなくてはならない曲です。
地謡座で見ていて、肉体的にも精神的にも相当キツイことは窺い知れます。
現在の僕の力では間違いなく跳ね返されてしまうことでしょう。
でもそのいつだかわからないその日が日一日と近づいていることは確か。
「道成寺」というものを頭のどこかで意識しながら舞台や稽古を重ねていこうと思います。

でもその前に「獅子」「乱」だな。。。
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カテゴリ: 舞台

テーマ: 能楽 - ジャンル: 学問・文化・芸術

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コメント

サイコー

私は「作りし罪も消えぬべき」という彼の謡を聞いたとき、こりゃ大丈夫だと思いました。乱拍子も、止まっている間、微動だにせず、順番もノーミス。鐘入りは半分は運のものですが、最高のタイミング(オヤジ、井上さんでリベンジして、どうするの?と誰かがぼやいてるような……)。当日の井上君は、なかなか直らない欠点とか、一生治らない胴長短足を、すべて逆手にとって、それを魅力に変化させてしまったんです。最後にものを言うのは『執心=お免状に書いてある意味の芸道執心』ですね。彼はここ一番というときは、『執心』で勝負。真由美さんも、「拝み倒し」でしたから。
いろいろ、やがて来るべき「通過儀礼」があって若い人は楽しみですね!(フォントに猫の絵がなかった)

フォントに猫マークが無い #lRLProEs | URL
2007/12/05 22:48 * edit *

NoTitle

披き物はめぐり合わせのものですが、いつそのときがきてもいいように稽古に励みます!

五星 #lVShtGQM | URL
2007/12/06 00:13 * edit *

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