秋葉原まで出て、つくばエクスプレス(TX)に乗車。
この仕事しているといろんなところに、いろんな乗り物で行けるのは楽しい!
乗り物好きにとっては嬉しい限りです。
秋葉原の駅は案の定相当深いところにあって、たどり着くまでに結構かかりました。
大江戸線といい、新しい路線はそこがちょっと難。
でもこの路線便利。
3年前に行ったときには、取手まで出てあとはひたすらえっちらおっちら関東鉄道に揺られてました。
今回は守谷まで出てそこから関東鉄道。
結局秋葉原から1時間半くらいで着きました。
しっかし関東鉄道って運賃高すぎでは?
TXも安くはないけど、だって守谷-下妻間約30分の乗車で930円ですぜ。
噂では日本で1番高い鉄道だとか。
930円払えば、小田急なら新宿から小田原あたりまで行けそう。
2両編成のディーゼル車で、みんな席につけるくらいの乗車数となれば、その程度運賃設定じゃないと採算合わないんでしょうけど。
さて舞台。
曲目は能「羽衣」。
僕は副後見でした。
その前に解説と簡単なワークショップがあり、担当した師匠の補佐として出ました。
今日は高校生がお客さまでしたが、聞くと昨日まで中間テストだったそうでちょいとお疲れモードだったかもしれません。
解説が始まる前からスヤスヤなんて子も。
ワークショップでは10人ほどに舞台に上がってもらって一緒にやってもらいました。
学生相手だとこういうパターンで、言葉は悪いですけど一人犠牲になってみんなの前でやってもらったりするとだいたいウケます。
今日は喜怒哀楽の表現として、シオリ・ユウケン・両手打ち合わせの型をやりました。
師匠が説明し、僕が実際にやってみせることになりました。
ユウケンの型をやったあと師匠が「チョー嬉しそうでしょ?」なんておっしゃったらこの日一番の大うけ。
師匠、もう40も半ばだというのに言葉がお若い。。。
20分ほどのワークショップを終え、狂言「附子」のあと能へ。
「羽衣」は衣を正先に出した松の作り物にかけるのと橋掛りの欄干にかける方法と2種類ありますが、今回は橋掛り自体がなかったため前者のパターンになりました。
ここで後見として気をつけなければならないのは衣のかけ方。
ワキ方の流儀や家によってこの置き方が異なるのです。
前もって確認したところ、今回は左手前に襟がくるようにして下さいとのことでした。
そしてこれを舞台に置くのも後見の仕事です。
能の場合予めセットしておくのではなく、舞台が始まってからセットすることも一つの所作として扱われます。
そのため雑な動きにならないようにと心がけていたのですが、あとでふと疑問がわきました。
シテが橋掛りから舞台に入ると(今日はこの辺で舞台だろうなというあたりから)後見も切戸口から舞台に入ります。
「羽衣」の場合は、途中で物着といって返してもらった羽衣を後見座で着る動作があります。
僕はそれをシテの後ろにまわって着せる役目です。
別に難しいことは何もありませんが、着せたあと鬘帯と面紐を外に出しておかねばなりません。
それとこれはちょっと企業秘密的な部分ではありますが、抜き襟にならないようにちょっと細工をします(別にたいしたことじゃないんですが)。
これが済むと副後見の仕事はあとは作り物を引くだけなのですが、ドキッとしたことが。
長絹の背中のラインが曲がってる!
こういうのを見つけるとホント生きた心地がしません(汗)
やばいなぁちゃんと着せたつもりなんだけど主後見に直してもらうべきかな、と考えましたが、よくよくみるとある型のときシテの癖でやや体が左に傾いでいて、その結果斜めに見えるのでした。
ほっ、びっくりした。
さてワキも退場し作り物を引くことに。
さっき湧いた疑問というのはこの持ち型。
塚や萩屋などの作り物はなるべく上に持ち上げないことが原則です。
となると、これもやっぱりそうか?
そう考えてみると、なんとなしに前かがみになって持っている絵が浮かぶような。
ということでそういうふうに持ってみました。
実際持ってみると歩幅を大きく取れないので歩きにくかったです。
終わった後。
「帰りの持ち方、お茶汲み人形みたいにチョコマカ動いてなんかおかしかったよ」と先輩から。
う~ん、作り物一つ持つのも難しい…。
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