曲目は「井筒」。
シテが師匠のお父様、地頭が師匠で僕は地謡。
鎌倉薪能でも2日謡いましたが、ともに一部省略でした。
今回は久しぶりのフルヴァージョン。
気合が入ります!
が、この舞台とーっても寒かったこと。
見所は屋内、舞台は中庭状になった中に建てられています。
東京で新幹線に乗り込む前は、ジャケット着ているとちょっと暑いかなくらいだったのですが、米原で降りた瞬間、寒っ!
16時の時点で気温は13℃。
能が始まったのは18時半過ぎだったので気温はもっと下がっていたことでしょう。
切戸から出て座った途端、予想以上の寒さ。
こう寒いと足のしびれも早く、初同(次第の地返という小さな声で謡う箇所を除いて、地謡がその曲で初めて謡う部分)のときにはもう感覚がなくなりかけていました。
でもその寒さもひとたび謡い始めればなんのその。
冷たい秋風が吹く中、雰囲気のよい舞台になったのではないかと思います。
終演後、東京組はホテルに行き、軽く(?)打ち上げ。
ビール一杯、日本酒2合で結構気持ちよくなってしまいました。
その最中、師匠がふと「自分の親の地頭できるのは幸せだなあ、って感じながら謡っていたよ」と。
確かに流儀内でみてもそうできた方は少ないし、他流をみてもなかなかいらっしゃらないのではないかと思います。
今まで10年に1人ペースでしか人がいなかった中、僕と師匠の17歳の間には9人の先輩がいます。
その中でも腹心というか、師匠を兄貴分のように慕う方が何人かいて、その皆さんが結集すると非常にまとまった力強い地謡になります。
僕もその中で地謡の一員として謡わせてもらうことがよく(というほとんどがそう)ありますが謡っていて非常に楽しい。
そんな地謡のあと師匠は決まって「みんながしっかり謡ってくれるおかげだよ。誰が地頭だかわかんないくらい」と笑っておっしゃいます。
決まってみんな「いやいや地頭が謡いやすく引っ張ってくれるからですよー」と、こんなやりとりになります。
今日はシテのお父様からも「なかなかええ地謡やった」(←関西ご出身なので)と。
17年後の自分は師匠のような地頭になれるかな。
…というよりならなきゃだめだ!
師匠を超えるくらいに。
スポンサーサイト